超人間・岩村(滝川廉治)

超人間・岩村 (集英社スーパーダッシュ文庫)

超人間・岩村 (集英社スーパーダッシュ文庫)

いやぁ、このラノ投票する前にこれ読んで良かった! って、対象だよね? よね?
──よし、対象だった!
まじめな話、そこをすぐに確認してしまうほど良かったです。
一見、ただの暑苦しいだけの性格にみえそうな主人公達なんだけど、裏にはしっかりとした理由がある。
しかも、ただのこじつけじゃなくて、絶望するほどに深いものが。


ちょっと前に、「新しい現実の誕生」というテーマで掌編を書いて、
ぜんぜんダメだったわけですけど、この小説こそ、まさにそのテーマにふさわしいです。
というより、自分がイメージしていた「新しい現実の誕生」にぴったりです。
限りなく深い絶望の中にこそ、新しい世界が見える。
突き抜けるだけの突破力。スピード、重さ。
そういったものが詰め込まれています。


絶望なくして、希望はない。
溢れるばかりの絶望が詰まっていたからこそ、パンドラの箱の奥には希望が残っている。


きっと、そんなことだと思う。

[Today's tune]実弾 (Nothing's Gonna Syrup Us Now)/Syrup16g