このライトノベルが面白かった

今年もこの季節がやって参りました。
第2回このライトノベルがすごい!大賞の受賞作が出てました!
今回も、意欲的で面白いのが勢揃い。


まずは大賞「モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣)/谷春慶」

モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣) (このライトノベルがすごい!文庫)

モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣) (このライトノベルがすごい!文庫)

年齢問わず、時に種族の壁さえ乗り越えて、女と見れば口説きまくるビョーキ持ちの主人公・望月砕月。静かに生きていきたい本心とは裏腹に、制御不能なビョーキのせいでモテモテすぎて日常が修羅場! その上、謎の美少女まで口説いて世界を救うバク退治に巻き込まれ――呼吸するように口説き口説きながら戦う男・砕月の明日はどっちだ! こんな奴に世界は救えるのか!! 第2回『このライトノベルがすごい!』大賞大賞受賞作です。

あらすじを読むと、なんかギャグというか、最近流行りのハーレムコメディだよねーなんて思うかもしれませんが、まぁ、その通りではあるんですけど、一筋縄じゃいかない面白さ!
まず、主人公が「初体験は3P以上って昔から決めてましたっ!」って言うようなゲス野郎って感じなんですが、でもでも、よく考えてみると、これって別にゲスっていうわけじゃなくて、自分の心に正直なだけですよね!
素敵な女の子がいれば、素敵だね、とか、かわいいね、とか褒めるのは当然じゃないですか!
……まぁ、普通はそこまでなんですけどね。
でも、そこまで真っ直ぐ、己の心がおもむくままに、同級生先輩妹母猫空から落ちてきた美少女怪物怪物などなどみんなを正面から向き合ったからこそ、良いエンディングになったんだ、と思います。
──ひとつ残念だったのは、主人公が男を口説かなかったことですね!
男だろうと女だろうと(ry


続いて優秀賞の「僕と姉妹と幽霊の約束/喜多南」。

僕と姉妹と幽霊の約束 (このライトノベルがすごい!文庫)

僕と姉妹と幽霊の約束 (このライトノベルがすごい!文庫)

霊感体質の高校生・結城クロ。ある日の放課後、彼は教室で同級生だった長谷川紫音の幽霊と出会う。紫音を成仏させるため彼女の心残りを解決しようとするクロ。だが、紫音はその提案を一蹴し、命令口調で「私を生き返らせなさい」と言い放つ。クロやクロの3人の姉妹、他の幽霊たちも巻き込み様々な事件が巻き起こる。しかし、やがて紫音の記憶と存在が薄れ始めて……。第2回『このライトノベルがすごい!』大賞優秀賞受賞作です。

これはすごく切ないです……
幽霊が見える主人公のクロと同級生(幽霊)の紫音の関係を軸に、他の幽霊の残した想いと、紫音自身の、そして、クロ自身の想いを優しく描く、というのが、とてもほんわり、暖かくなります。
ちなみに、ミステリ者的には、アレでアレなアレで! というわけで、密かにおすすめ、だよ。


そして、噂の栗山千明賞「美少女を嫌いなこれだけの理由/遠藤浅蜊」。

美少女を嫌いなこれだけの理由 (このライトノベルがすごい!文庫)

美少女を嫌いなこれだけの理由 (このライトノベルがすごい!文庫)

完璧な外見と不思議な能力を持つ種族「美少女」が人間と共存する世界。素性はちょっと訳アリだが、基本はごく普通の高校生・亜麻野雄介は、ある日唐突に2人の「美少女」の訪問を受ける。熱心な説得と報酬につられて、彼女たちと同居する事になってしまった雄介。可愛くてミステリアス、身勝手で能天気、そんな老若男女の「美少女」たちに振り回される日々が始まった……! 第2回『このライトノベルがすごい!』大賞栗山千明賞受賞作です。

……この発想はなかった!
種族が「美少女」だから、「美少女」にも老若男女あり!
いやぁ、ほんと、目から鱗とはこのことか!
普通に「このおっさんいい味出してるなぁ」と思いながら読んで、イラストが入って「あ、外見美少女(ロリ)だった……」と思い出すこと数度。
熱いおっさんが、意地と(ちょっとの)欲望を胸に、本気で戦う姿には、思わず手に汗握る熱さ!
マジでわけはわかんないけど、これは面白かった!


というわけで、こんな面白いのが投票対象外になってる、このライトノベルがすごい! の投票が始まっておりますので、みんな、ぜひ投票しよう!
https://ssl.tkj.jp/form/lightnovel2012/