本田未央というアイドルについて

あの娘のことが好きなのは
赤いタンバリンを上手に打つから
──赤いタンバリン/BLANKEY JET CITY

本田未央というアイドルがいる。
彼女は明るい。元気だ。
それが彼女のアピールポイントだから。
時折見せる少しアンニュイな表情とのギャップも良いが、その元気さが周りをも元気にしていく。それが本田未央というアイドルだ。

流れ星一個盗んで
目の前に差し出した時の顔が見たい
──赤いタンバリン/BLANKEY JET CITY

そんな彼女がステージで踊り、歌うとき、僕たちはそこに煌びやかな流れ星が降るのを見る。どこまでも素直に、明るく、元気に。彼女の光は僕らを照らし、彼女の輝きは僕らの胸に宿る。

淋しさだとか 優しさだとか 温もりだとか言うけれど
切なさだとか はかなさだとか 運命だとか言うけれど
そんな言葉に興味はないぜ ただ鉄の塊にまたがって
揺らしてるだけ 自分の命 揺らしてるだけ
──ガソリンの揺れ方/BLANKEY JET CITY

だから、命を燃やし尽くすような彼女の明るさに、少し不安にもなる。
彼女は、細く美しいワイヤーの上で踊っているのではないか、と。
そこから落ちてしまうのではないか、と。
危うさ、儚さ、刹那。
それこそが、彼女がその笑顔の裏にあるのではないか。
僕らは、そんな彼女から目を離すことができない。
彼女が明るいから。
彼女が元気だから。
だからこそ不安になるから。

Oh 愛という言葉に火をつけて燃え上がらす
いくらか未来が好きになる
Oh I want you,baby 人は愛しあうために
生きてるっていう噂 本当かも
──赤いタンバリン/BLANKEY JET CITY

けれども、彼女はそれに気がつかないように輝き続ける。

瞳閉じて映し出すそう物語の始まりを
そして君はほんの小さな光を胸に見つける
迷わないでそのままでいい素直に思い続ける
迷わないでそのままでいい素直に思い続ければ
──ダンデライオン/BLANKEY JET CITY

元気に、明るく、まっすぐに未来だけを見続けて。
そこからきっと物語が始まる。
彼女たちが紡ぎ出す、新しいシンデレラの物語が。
僕たちは、本田未央と彼女たちがガラスの靴で駆け抜けていくのを見つめるのだ。