「TRUST: 世界最先端の企業はいかに“信頼”を攻略したか/レイチェル・ボッツマン」を読んだ感想と「信頼」を得るためには? とか考えてみた

 しばらく、ずっとどこかでまとめて書こうと思っていた、「信頼」とか「信用」について、今、考えていることをちょっと書いておこうかと思います。

 元々の発端は、「TRUST: 世界最先端の企業はいかに“信頼”を攻略したか/レイチェル・ボッツマン」という本を読んで、たまには本を読んだら感想みたいなものを書いた方が良いのではないかしら? と考えたことです。

 

TRUST 世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか

TRUST 世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか

 

 

 本の中では、uberAirbnbなどのシェアリングエコノミーからアリババなどの例やブロックチェーンの例を出しながら、現代の「新しい信頼」というところをうまく説明されており、今のひとつの流れを紐解くには、非常に示唆に富む本だと思います。

 ただ、やはり、事例が欧米(あと中国)が中心であり、日本ではまた少し違った状況になっているのではないか? というのが考えたところ。だって、まず、uberAirbnbも日本だと広まってないですし、それ以外のシェアリングエコノミーもまた然り。ただ、だからと言って、この本が役に立たないか? というと、そんなことは全くなく、欧米でシェアリングエコノミーを活発化させている下地というのは、日本でも間違いなくあるものであり、欧米のそれとは違う形で表出しているのではないか? と考えます。
 シェアリングエコノミーを活発化させる下地としては、信頼の個人化というのが挙げられるわけですが、これに自覚的であるかどうか、というのが、今、日本だと特にTwitterを中心とするインターネット界隈で見られる様々な事例の裏にあるものではなかろうかと。
 例えば、今まで、会社や組織が担っていた信頼というものの担保を個人で担うように変わりつつある中で、
「自分は新聞社の記者だから信頼されてしかるべきだ!」
 なんて主張をしたところで、あなた自身を信頼できる理由にはならないでしょ? となるのが当然のところであったり、大企業に務めている人の発言だからといって、聞くに値するか? というとそれもまた微妙だったり、むしろ、炎上案件に関わる人は大企業の役職付きの人が多くいたりするって、どっかでなかったっけ? というくらいだし、大学の先生だからってまともなことを言うか? というと、科学的でも論理的でもないことを恥ずかしげもなく開陳するような事例を多々見たりもするし、インターネット、特にTwitterのような場所だと、Twitter外の肩書きだとか地位とかそういうものは、「信頼」についてはマイナスになる場合はあるにしても、プラスになることはほとんどないんじゃないか、というのが、Twitterを10年以上使ってきたところの感想です。

 じゃあ、どうすれば、Twitterのような場所で「信頼」を得ることができるのか? というと、これはあくまで自分が他人を「信頼」するかどうかの基準になりますが、やはり、そのアカウントが発言している内容が9割です。残りの1割が、直接知っていたりだとか、直接会ったことがなくても、Twitter外でよほど信頼できるようなことをやっている人だったりというところです。──地位とか肩書きではなく、あくまで行動ですね。
-簡単に炎上するような発言をしない
-嘘大げさ紛らわしい発言をしない
-その人をフォローしたいと思わせる発言が多い
 というあたりが、まずは自分がその人をフォローしたり、信頼するような場合の基準(曖昧だけど)です。
 例えば、色々と役に立つことをみんなに広めよう! と様々な情報をひたすらRTするような人とか、世の中もっとよくしていこう! といろんな炎上案件にいっちょ絡みするのが生きがいみたいな人も見受けられたりしますが、そういう人は、あまりフォローしたり信頼はしないかなぁ、というのが今の自分の考えです。
 役に立つこと広報マンは、それぞれの公式情報をフォローするなりリストに入れるなりしておいたほうが、情報の精度も高いだろうし、正義のいっちょ絡みマン、いわゆるSJWは、正義かもしれないけど、どっちかというと、ファイヤファイターよりはパイロマニアに近いのでは? というのが、今の印象です。

 結局のところは、みんなが日頃、日常生活の中で心がけているように、嘘偽りなく、実直に自分の言葉と能力を決して奢ることなく、誠実に発言と行動を重ねていくのが、信頼を得るための確実な方法であり、一番の近道なのではないだろうかと思うわけです。