Hit Refreshという本を読みました

 まず最初に断っておくと、サーバ用途のOSとしてはWindowsというのは好きではなく、というより、むしろ嫌いと言っても良いかもしれなくて、もちろん、Windowsサーバにも良いところはあるというのは理解はしていて、要件によってはLinuxよりもWindowsを選択する方が良い場合があるというのも十分に理解はしているけど、Windowsサーバは好きではないです。

 という好みがあるので、まさか、マイクロソフトのCEOの本を読んで、マジで面白い! と膝を打つなんて思ってもみなかったですけど、これ、めっちゃ面白いです。素直におすすめです。

 

Hit Refresh(ヒット リフレッシュ) マイクロソフト再興とテクノロジーの未来

Hit Refresh(ヒット リフレッシュ) マイクロソフト再興とテクノロジーの未来

 

 


 この本を読んで、最近のMSの動きについて、非常に良く納得できるとともに、強い共感を覚えつつ、これはものすごい脅威になるぞ、と戦慄せずにはいられないです。
 だって、MSのような世界トップレベルの会社のトップが、こんな考えを持ってやってたら、勝負の前に負けが決まったようなものじゃん? と考えるんですけど、ただ、それすらもサティア・ナデラCEOの考えのうちで、そもそも勝負するってなに? 勝ち負け決めることに意味がある? という内容すら本書の中で述べられており、これが御釈迦様の掌というやつか……! となるわけです。

 で、この本を読んで似てるなぁ、と思ったのが、「ビジネス・フォー・パンクス/ジェームズ・ワット」です。

 

ビジネス・フォー・パンクス

ビジネス・フォー・パンクス

 

 


 かたや、世界トップレベルのIT企業で、かたや独特の世界観を放つビール会社というので、規模から業種から何もかもが違うように思えますが、中に書かれていること、マイクロソフトの中でサティア・ナデラCEOが大切にしようとしているものと、ジェームズ・ワットがビールとともに世界に広めていこうとしているものは同じなんじゃないかと思うんですよね。
 自分が、会社が大切にするべきもの──ナデラCEOは「文化」と呼び、ジェームズ・ワットが「信念」とか呼ぶものを中心にして、それをより強く実現させるためにはどうするべきか。それにだけ全力を捧ぐ。敵も味方もなく、良い言い方をすれば、ともに手を取って、悪い言い方をすれば、利用できるものはクレバーに利用して。

 いや、ぶっちゃけね、冒頭でWindowsサーバは好きじゃないって書いたけど、個人用途のWindowsというかMS製品というのは最近めっちゃ良いなぁ、とは思ってて、なんか上から目線で申し訳ないんだけど、Surface Pro 4は発売してすぐくらいの時に買って、それ以来便利に使ってるし、ある程度のテキストを書いたりとかするのであれば、iPadのように完全なタブレットよりも使いやすいと思うんですよね、という余談なんですけど、そういうユーザ目線でのサービスの方向性が、はっきり言って、今のAppleよりも良い感じなんじゃないかと思ったりもするんですよね。Office365は仕事だけでなく、個人用としても必要十分に使えるし。
 で、そういうサービスを使って何を実現したいのか、何を実現させたいのか、もっというと、世界をどうしていきたいのか、というものが、非常にわかりやすく、しかも、理解して納得できて、流石に言い過ぎじゃね? と思うところはなきにしもあらずだけど、世界的な企業のトップともなれば、これくらいのことは言わなきゃいけないのかなぁ、というところまで含めて共感させられるようなものが、本書で述べられていました。

 あとは余談。
 ところで、この企業としての「文化」とか大切にしているものについて、自分の務めている会社はどうだろうかなぁ、とか、自分がそれに共感できるかどうかなど、考えると色々と面白いかもしれないですね。
 ちなみに、上場している企業であれば、WebサイトなどにIR情報が掲載されているはずなので、そこでその企業の企業理念、ビジョン、ミッションなどで、その企業が目指すもの、大切にしているものを見ることができるので、気になる会社のものを見てみるのも面白いんじゃないでしょうか。