根津美術館 企画展「Adventures in Monochrome〜モノクロームの冒険〜」を見てきました

 駅のポスターで見かけて気になっていたので、見てきました。
 自分、美術はよくわからないので、雰囲気だけですが。
 モノクロームということで、水墨画と白描画の特集だったわけですけど、ぶっちゃけ、水墨画と白描画の違いというのもよくわからず。なんとなく、水墨画は濃淡があって、白描画は線がはっきりしているというか、そんな感じ?
 そんなくらいにわからないなりに個人的におおっ、と思ったのは、水墨画で描かれてない部分の描き方というのが、これはすごいな、と。特に、赤壁図屏風がわかりやすかったんですけど、水墨画で描いていない部分、つまり、下の紙で、滝の流れとかを表現しているわけです。周囲の墨で、何も描いていない部分に流れ落ちる滝を見事に表現しているんですよ。いやぁ、これはすごいなぁ、と。日本、中国古来からの陰陽というか、そういうのが関係しているのかな? とか思いつつ、まぁ、詳しいところはわからないというのが、自分の悔しいところなので、音声案内とか借りれば良かったかなぁ、とも思いつつ、近づいたり遠ざかったりで、見ていて本当に飽きない良さがありました。
 あと、特に水墨画で感じたことですけど、ガッと一発で引いたような線でも、それが見事に木の枝になっていたりとか、僧が纏った衣になっていたりとか、たぶん、ものすごい時間をかけて描かれているんだろうけど、一発の凄みというか、刹那的なものというか、そういうものを感じつつも、ものすごく深い、深淵のようなものがあるんじゃないかと思えるような、あれだ、俳句とか和歌に通じるような、これが侘び寂び……! 違う? みたいな、西洋の絵画のような派手さとか華麗さはないんだけど、噛めば噛むほど味が出るような、そんな雰囲気がありました。
 個人的には、狩野山雪筆の「梟鶏図」がかわいくて良かったです。めっちゃゆるい。顔がゆるい。かわいい。

 あ、根津美術館は、庭園もめっちゃ良いです。
 だいぶ前に行った時はきれいな庭だなぁ、とくらいにしか思ってなかったんですが、今回改めて行ってみて、手の入り尽くした日本庭園というよりも、野性味がありつつも適度に手を入れられた庭園というので、なんというか、Ghost of Tsushimaみがあるなぁ、とか。
 俺が仁殿だったら、歌詠んでたわ。