シン・エヴァンゲリオンの感想と、あの頃はエヴァとロックンロールだったなぁ、という思い出の話

 あまり自分の歳のことを書くのはアレだなぁ、とは思いつつも、エヴァについて何かを書こうというときには、自分の年齢に触れずにはいられないというのがあるんですが、一番最初のテレビ版が、1995年当時中三だった自分に与えた影響というのは、一言で言い表すのは難しいだろうけど、全くないとも少ないとも言えず、どちらかというと大きなものだったような気がするんですが、それじゃあそれからの人生エヴァに支配されていたとか、ずっと隣にエヴァがあったかというと、別にそういうわけでもなく、実際のところ、エヴァの半年後からはナデシコ見てはまってるし、それを言うなら、エヴァの前から天地無用!とか見てはまってたオタクだったし、そう考えると、エヴァっていうのは長く続いてるし、時々ですごく話題にはなってるけど、そんな騒ぐほどだったか? というのが正直な感想だったりもするわけで、まさか25年を経てまでこんなに話題になろうとは、というのが、今の考えだったりします。

 中三の頃、ほぼ自分と同じ年代の少年少女が主人公のアニメで、あんなのはなかった──まぁ、今でもああいうのはないとは思いますけど──せいなのか、普段はほとんどアニメの話題を口にしないような友人もエヴァのビデオを買ってたりしてたし、そう言った意味で、あの頃のことを思い出そうとすると、エヴァというのは外せないもののひとつだというのは確かなんですけどね。

 

 そんな、エヴァもテレビ版の最終話でおめでとうってなって、旧劇場版ではぁ……ってなって、新劇場版が始まっていつ終わるんだろう? と待ち続けて、気がついたら、自分もとっくの間に酒を飲んでタバコを吸って、やめてという年になっていて、改めてシン・エヴァンゲリオンというのがどうだったかなぁ、と考えると、なんというか、まさにこの積み重ねた歳月というものだったんじゃないかなぁ、と。

 それなりに年月を重ねれば、それなりに経験を重ねて、それなりに何かを考えたり、悩んだり、誰かを励ましたり、励まされたり、凹んだり、増長したり、何かを選んだり、何かを捨てたり、忘れたり、ずっと忘れられなかったり、喜びも悲しみも、哀切も歓喜も、少なからぬものを抱えることになってしまって、結局のところ、そういうのって、まぁ、悪いもんじゃないよね、というのを、あのラストシーンで感じました。

 普段、あまり考えていない、自分が何を積み重ねてきているのかという事実を突きつける、ある意味では残酷で、ある意味ではとても優しいラストで。

 

 本当に、「お疲れ様。そして、ありがとう」です。