劇場版マクロスΔ絶対LIVE!!!!!!/劇場短編マクロスFlontier〜時の迷宮〜を見てきました

 何年か前にクイーンのフレディ・マーキュリーを描いたボヘミアン・ラプソディが大ヒットしたり、今でもカートはアイコンだったり、イアン・カーティスの声はいつまでも胸に響くし、そこまで前の話じゃなくても、チェスター・ベニントンのシャウトとバラードには震える。ただ、もっと彼らの声を、歌を聞きたかったと思う。もっとたくさんの曲を聴きたかったと思う。例えば、日本だと、hideが今も生きていれば、絶対にめっちゃすっごく面白くてかっこいい曲やってるよ、って思う。
 でも、彼らが最期まで歌ったというのは、絶対に消えない。
 だって、俺らが覚えてるから。
 っていう話です。

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 というわけで、劇場版マクロスΔ絶対LIVE!!!!!!/劇場短編マクロスFlontier〜時の迷宮〜を見てきました。

macross.jp

 マクロスだしワルキューレだしタイトルが絶対LIVE!!!!!!だし銀河争奪歌合戦だし、歌がたくさんあるんだろうなぁ、とわくわくしてたんですけど、ここまでいっぱい詰め込まれてるなんて聞いてないんですけど、想定内だけど想定以上で、本当にありがとうございました。

 マクロスΔの設定で、フレイアたちウィンダミア人は寿命が短いというのがあり、TV版、前回の映画でもそれを仄めかしつつ、仄めかしているだけだったところがはっきりと描かれていて、物語の中でそれを描かれた時に自分はどう思うんだろうか、というのがあったんですけど、意外に落ち着いているというか、受け入れている自分がいて、いや、正直、ご都合主義でもなんでも良いから奇跡が起こってフレイアが生きて──と思ってしまう自分がいたんですけど、そんな安っぽい奇跡よりも、フレイアがいっぱいに元気で、いっぱいに歌って、いっぱいに愛して、いっぱいに駆け抜けたから、そんな姿が見られて、本当に幸せだったんですよ。
 歌ったらどうなるかわかっている。
 それでも最期まで歌わずにはいられない。
 そんな姿が、何よりも尊くて、愛おしい。

 そうそう、歌がね、良かったんですよ。
 ワルキューレの歌はもちろん期待していて、十分に期待以上だったんですけど、それでも、やっぱり良かったんですよ。最初のライブシーンは、絶対このままの振り付けでライブやるつもりだろ! というのが見えるような、というより、見えてたわ。うん。Yami_Q_rayもこうきたかー! ってむっちゃごりごり最高! ワルキューレはもともと楽曲の幅が広いのはあると思うんですが、こんなごりごりのくるか! というのがさいっこうですね。特に、JUNNAちゃんの声をああいう曲のああいうアレンジにのせるとやっぱりめっちゃ映えると思うんです。ワルキューレ(美雲)はレスポールの低音弦みたいな声だなぁ、と思うんですが、Yami_Q_rayの闇雲は同じハムバッカーでも2音下げたジャクソン系みたいな?(わかれ 今から音源が楽しみですよ……ふふふ……。
 で、TV版の時から、フレイア(鈴木みのりさん)も美雲(JUNNAさん)の歌はすごかったし、カナメさん(安野希世乃さん)、レイナ(東山奈央さん)、マキナ(西田望見さん)もとても良かったんですけど、前回の映画からも時間が経ち、それぞれにキャリアを重ねられて──JUNNAちゃんなんてお酒を飲める年齢にもなって──、さらに凄みを増しているというか、例えば、God Bless Youとか、ライブでもいろんな気持ちが込められる曲ですけど、それが痛いほどにわかるみたいな、新曲ももちろん良いんですけど、既存の曲もさらに魅力的になっているんですよね。その中でも、リンゴの樹でフレイアが歌うシーンと、フレイアに四人が歌を贈るシーンがね……良かったの……。特にフレイアのために歌う「宇宙のかけら」が、入りが美雲(JUNNAさん)の涙まじりの声からで、その前のフレイアと歌いたいと心情を吐露して涙するミクモから繋がっていて、あああぁ、声美雲(小清水亜美さん)だけじゃなくて歌美雲(JUNNAさん)も泣いている……となって、TV版と前の映画で綴られた美雲の物語があるから、これで終わりと思った2ndライブ、それを乗り越えた3rdライブ、そして去年から今年のまさかの世情というのを乗り越えたものが全部詰まっている、作品の中だけじゃなくて、外のワルキューレとしての活動であった色々なものがあの瞬間に結実しているんじゃないか、って思うんです。

 歌以外だと、いやー、良かったミラージュ! マクロスFの三角関係と違ってTV版でも途中で身を引いた感のあったミラージュ! もしかして、一気に影が薄く……? と思ったら、今回はまさかの祖父マックス(めっちゃかっこいい!)の登場で表舞台へ復帰!(もともと引っ込んだわけではない) フレイアとハヤテのことを話すシーンとか良き良きですよ。その時のセリフがすごくじーんとくるんですよ。その上で、自分の居場所、自分の風を見つけるという展開がすごく良くて、いやぁ、本当に良かった! これにはマックスさん(マジ天才)も納得ですわ。そのマックス(声がイケメン過ぎる罪)ももうちょっとちょい役なのかなぁ、と思ったら思いっきりガッツリ出てるじゃないですか!(と思ったら、石塚運昇さんが亡くなられていて……ということがあり……) 少し寂しくもあり、マックスのおかげでミラージュの話もちゃんと締まったというのは良かったなぁ。
 できれば、マクロス・ギガシオンとマクロスエリシオンが並んでマクロスキャノン撃つシーンが見たかったな……。
 そうそう、メカも良くて、めっちゃかっこよくて、まずバトル・アストレア(敵艦)のマクロスをベースとしながらも曲線とかで有機的にも見えるシルエットがめっちゃかっこよくて、変形後はちょっとAC4系っぽいシルエットにも見えたり、もう、好き。バルキリーとそのアクションもとても良くて、特にマックス(速水奨さまありがとうございます)がさすが天才! という変態機動で動いて変形して天才しててミサイルがサーカスで、これがマクロスのアクション! と大満足です。

 あとは徒然に言っていくと、最初のライブ前の美雲のセリフが、TV版の最初の方でも同じようなことは言っていた気がするんだけど、それとは全然違う暖かさが感じられるというのがとても良くて、フレイアにあててんのよやってるマキナ良いし、村のシーンだと子ども相手にゲーム連勝レイナそういうところだぞ! ってなるし、サイン&キスマークなマキナ俺にも一つお願いします……っていうか、あのキスマーク西田望見さんのものだとは……エンドロールで「マキナのキスマーク 西田望見」ってあってマジで笑いそうになったわ。危ない。カナメさんはどんな番組出てたんすか……おかげでメッサーくんも深夜にはぁはぁしながら見てたのかな……とか思っちゃったじゃないですか訴訟。あと整備シーンでもミラージュにあててんのよしにいくマキナとか、フレイアとミラージュの話に入ってあててんのよするマキナとかくるくる回すレイナとか、ほんと、そういう小さなシーンの積み重ねが良いと思うんですよ。
 もう、全部良かったわ。

 エンドロールの後のシーン。
 見たその時は、あぁ、こうやってつながる良いシーンだな、というだけだったんですが、劇場出て電車に乗って帰る途中にふと気がついたんですけど、もしかすると、ボーグとか他のウィンダミアの人たちも風に召されているかもしれないんだよな……と思って、さらにあのシーンがとても大切なシーンに思えてきました。
 きっと、これからも歌は、物語は続いていく。って。

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 そう10年待った、マクロスFrontier〜時の迷宮〜みたいに。
 いや、ぶっちゃけ、新曲はあるだろうけど、PVみたいな感じの映像なのかなぁ、とか思ってたわけですよ。まぁ、それでもクオリティは絶対すごいのでそれでも満足だったんですけど、それがさ、ちょっと大人になったランカはめっちゃ可愛いしさ、新曲(時の迷宮)がめっちゃ良くてさ、上述したようにワルキューレも作品の外の時間の流れというのが良い意味で重ねられていたように、いや、それ以上の月日と思いを重ねたランカ・リー中島愛さん)の歌が神以外あり得ようか、いや、ない(反語)。長い間待って、待って、待ち続けて、その先に今年またライブがあって……とまさに一筋の光が見えたような、そんな状況にぴったりじゃないですか。最高。
 あとね、メガネ(ナナセ)が元気そうなの最高だし、メガネ(ミハエル)とクランクラン(かわいい)が末長く爆発してそうで何よりでございますよ。うん。

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 たぶん、きっと、おそらく、マクロスシリーズはこれからも続いていく。
 いや、続いてほしいと思う。
 だが、マクロスΔ──ワルキューレ、そしてハヤテ、ミラージュたちの物語は、ここでひとつのエンドマークがつけられることと思う。
 終わらないライブがないように、終わらない物語もない。
 けど、マクロスΔの物語も、ワルキューレの曲も、それを見て、それを聞いた人の中で、ずっと生き続ける。
 そう信じてる。

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 あと蛇足。
 来年の4月にワルキューレライブ!ということでむっちゃごりごり楽しみなわけなんですけど、まずチケットが当たるかどうかというのが大きな問題であり、その上で西田望見さんがご結婚&ご懐妊おめでとうございます! なので一体どうなるのか? というのが気に掛かるところののぞ民(西田望見さんの公式オンラインサロンでのメンバーの呼称)でした。