罪灯(佐々木丸美)

今年の読書始めは、北海道の作家、佐々木丸美の罪灯から。
偶然と故意の狭間の「罪」を犯した、4人の少女。


ミステリにおいて、「罪」を暴く「探偵」の行為というのは、すなわち「赦し」であり、また「救い」でもある。
それを、如実に感じさせる。
救いは、淡い恋心とともにあり、探偵⇔犯人の関係性故に、悲恋、報われることのない、炎のように燃える恋心。
詩的でもあり、過剰に叙情的である、怨念、切なさのこもった文章が、冷たく輝く。
北海道の狂おしい春のように、
刹那の夏のように、
身を焦がす秋のように、
透き通る冬のように。


年のはじめから、流行とはほど遠い、暗く重たいものを読んでしまった。
まぁ、今年もそういう方向性で行こうと思います。

[Today's tune]白い狂気/Cocco