ひぐらしのなく頃に

とりあえず、鬼隠し編を終了。


まず気になるのは、これは本当にミステリとしてーーいや、本格として存在し得るものなのか? ということで。つまりは、さぁ、すべての証拠は出そろった。賢明な読者ならばこの事件の真相を言い当てられるはずだ、その一言をはさむのに適当な場所がはたして存在するのか? ということです。はっきりと言うと、これは本格の文脈にあるのか、それとも新本格なのか伝奇なのか新伝綺なのか、それともホラーなのかSFなのか? その線引きがいったいなされるのか? ということで。
十戒や二十則を崇めるつもりは毛頭ありませんが、少なくともミステリとして考えるためには、それらに準じたものでなくてはならないと思います。
とすると、まだまだちょっと証拠は足りないかなぁ、と。
今のところ、軽く考えているところをーー
一応、文字は薄くしておきますが、ご容赦を。

ええと、まずは現場の確認から。圭一の部屋にあった格闘の跡は、そのまま争った形跡と言うだけでなく、犯人が荒らした跡、と考えて差し支えないと思います。その結果として、時計の裏のメモを発見した、と。
ここで、なぜメモをすべて持ち出さなかったのか? という点についてですが、ああやって書き置きを残しているという時点で、何かあった場合にはそれが誰かに見つかるようにしているというのは必定。ならば、あるはずのものがなかったら? そのなくなったものがなんなのかが重要と見られ、警察がそれを捜すというのも当然になります。つまりは、知られても良い、どうでも言い部分だけを残しておいたのでは? ということになります。
これから、メモから持ち出された部分が、重要だったのでは、と思われます。
つまりは、毒物と監督について。
その、毒物について。あの毒物は、富竹と圭一が自殺に至った理由となるはずです。
富竹の身体に注射の跡があった、また圭一も注射を打たれたという描写はありませんでした。
圭一は、死の瞬間まで大石と電話で話していました。その内容がどうであったにしても、そのときの目的であった、公衆電話から大石に電話をかけ、自分が死に至る理由を説明しています、つまりは、正常な精神状態であった、と推理できます。これから、何かの薬物によって精神状態が異常になった、というのは考えにくいことです。もし、仮に、自殺に至る精神状態にさせる薬物を、注射以外の方法で摂取してしまったとしても、二人ともが首の血管を自分で引き裂くという異様な自殺方法を選ぶというのは、蓋然性に欠けます。喉に自分の爪を突き立てる合理的な理由は? この問いに対する答えは、鬼隠し編だけでは出ないのでは、と考えています。
ならば、どうして毒物の存在は隠蔽されたのか?
……ええと、申し訳ありませんが、ここでちょっと飛躍します。
犯人にとって、毒物を調べられる、という事実があっては具合が悪い、ということだったのではないでしょうか?
もし、毒物が本物であった場合、それを調べられたとしても、未知の毒物がひとつ既知になるだけであり、圭一と富竹の死因もそれであったと確定されることになり、あとはその毒物の出所は? というのが問題になります。つまりは、その毒物を所有している・いた、もしくは製造を行えた人物が犯人である、となります。毒物を持ち去ったことから、その線から探られると容易に確定されうる人物が犯人であろうと推理されます。ーーありふれたものなら、そのままにしておいても問題は特にないですので。
また、毒物が偽物であった場合、この場合はちょっと犯人の意図が不明になります。
その後の経過からして、圭一が何らかの精神障害や妄想にとりつかれていた、との見方が強くなると思われます。その際、毒物としておかれていたものがただの水だった、としても何ら問題はないはずです。つまりは、犯人は圭一がそのメモを書いていた時点では正常な精神状態であり、第3者ーー自分の存在をほのめかすことになったとしても、毒物の存在は明かしたくなかった、ということになります。これは、非常に考えにくいことなのではないかと……。以上、たぶん毒物は本物である、と推理されます。
で、次に監督についてですが、これは、やはり死んだとされる現場監督なのかな、と。
腕だけ見つからないとか、何となくあれっぽいなぁ、と。
ここで不明になるのは、監督の役割です。魅音は、監督が来る前に始末をーーと言っていました。これは、監督が来る前に殺しておかなければ、自分たちが責められる、もしくは、監督には毒物の存在を知らせてはいけない、このどちらかでは? と考えられます。
前者は、少し考えにくいものがあります。魅音は、全体の流れの中で、中心に近い位置にいると考えて差し支えないでしょう。ならば、監督の位置は? もし、監督が現場監督であったなら、その位置は低かったとしてもおかしくありません。また、それ以外、本当に魅音たちを監督する人物であった場合は、前者の理由が正しい、と言うことになりますが、そう言う立場の人間に対しては、違った呼称を用いるのでは? とも考えられます。
今のところは、監督はそれほど深くまで事情を知ってはいない人物、そう推理します。
根拠は、圭一の家の状況と、破られたメモです。
家の中を荒らしたのは、何か証拠が残されていると困るから、メモを破ったのも、同様です。ーーメモを完全に破棄しなかった理由は上で述べていますよね? これらのことから、彼(?)が最低限死守しなければならなかったものは、自分の存在と毒物の存在だと言うことになります。
ついでですが、これらのことから、圭一の両親の関与はない、と考えて良いでしょう。
両親にも何らかの関係があるとすれば、証拠隠しのためにリビングなどを荒らす必要もないし、メモの存在も、そんなことは聞いていない、この一言で済むはずです。
また、それ以外がほとんど関与しているというのは、今更良いですよね? と。それじゃなかったら、レナたちが学校に行ってる間の圭一の監視は誰がしていたんだ? と言うことで。家に両親がいない、と言うのもそちらからの情報でしょう。


以上、まとめると、

  • 村人(全員?)が犯人。
  • 両親は無関係。
  • 被害者の中で、生きている人間がいる。たぶん、一番はじめの被害者である現場監督。
  • 竹富と圭一は、ある特別な毒物により、死ぬことになった。しかし、その毒物の作用は不明。精神的な作用はないはず。

……大して何もわかってないなぁ。しかも、かなり間違ってそうだしなぁ。
とりあえず、鬼隠し編だけでわかることって少ないのかなぁ、と。
あ、ちなみに、今の段階では祟りだとかそう言うのは除外して考えています。
そう言う祟りなどのオカルティックなものを論理の光で切り裂くのが、本格ミステリであるので。



長いですが、一応はここまで。
で、ええと、あのですね。
……レナ? やばいですね。あの語尾の繰り返し具合がもうっ。
ちょっと恥ずかしがるところとかかぁいいもの好きだとか、やばいですよー。
ちなみに、沙都子と梨花、細かいところで話し言葉が混じってたような気がするんですが。
気のせいなのかな? なのかな?

[Today's tune]Bring Me To Life/Evanescence