マレー鉄道の謎(有栖川有栖)

マレー鉄道の謎 (講談社文庫)

マレー鉄道の謎 (講談社文庫)

……トレーラーハウスがでてきたらこれだよねっ、と言うトリック。
それにしても、「ただの本格ミステリ」がこれほどまでに素晴らしいなら、ミステリはまだまだ大丈夫だと思うのですが、いかがでしょうか?
複線の張り方と、それが繋がっていくロジックの細いワイヤー。
これを楽しむことができる人なら、間違いなくお勧めの1冊となるでしょう。
何げに、作家アリスをここまで褒めることは少ないような気がしますが、それは、最近ミステリ「周辺」ばかりがにぎわっていて、「本格」のコアな部分にほとんど触れていないからかもしれません。
自身「クイーンとカーとクリスティーと有栖川有栖を足して……」と後書きで述べているように、カーの荒唐無稽なトリックをクイーンのロジックで解き明かしてクリスティーで物語に味付けしたかな、という感じで。ここまでに「ただの本格ミステリ」いや、「純粋な本格ミステリ」は本当に嬉しく読めました。
というわけで、男二人で海外旅行ハァハァだとかそういうのはあまり気にしない方向で行きました。

[Today's tune]自閉探索/ASIAN KUNG-FU GENERATION