ツインシグナル11(大清水さち)

文庫版の末尾を飾るのは、アトランダムナンバーズでも、それぞれ独自の役割を持ったA-KカルマとA-Oオラトリオのストーリー。
カルマは、自分に科せられた使命と想いの間に悩んで、人との絆に自らの存在意義を見つける。リュケイオンでアトランダムに操られていたときでも、最後に自分の意志を取り戻していたのは、その強い絆があったからだと思う。
オラトリオは、もう一人の自分──オラクルとの絆を確認して、そして、ほかのナンバーズとは少し違った立ち位置にいる自分を、それでも嫌いじゃなくて。
両方のストーリーで考えてしまうのが、人間と彼らロボットとのつきあい方というやつで。
ギアが言うとおり、機械というものは生身の人間では出来ないことをするために作られます。
それが存在意義なのは言うまでもありません。
今はまだ、機械たちは人間のように明確な「意志」を持っていないけれど、いつかはシグナルくんやカルマ、オラトリオのように自分で考え、動く日が来るでしょう。
そのときに、自分たちよりも優れている彼らを目の当たりにして、私たちはいったいどうするんだろうか?
産まれながらにして、親を越える力を持つ子供たち。
彼らは、不出来な親にどういう思いを抱くんだろうか?
できれば、かなうならば、カルマと正信、シグナルと信彦のような兄弟、カシオペア博士とエララ・ユーロパ、アトランダムのような親子、そういう暖かな絆で結ばれますように。


あー、えーと、11巻はシグナルくん誕生以前というか、正信パパも子供だったりみのるさんも子供だったり、ちょっと面白いというか、あれですね、エモーション良いですね。
うん、良いですよ、エモーション。
コードにも丁寧に挨拶するのが良いです。
あと、こういう昔の話を見ると、やっぱりエモーションはお姉さんなんだなぁ、と。
電脳空間で、みんなの成長する姿を温かく見守っているというのを考えると、お姉さんと言うよりもお母さんかもしれませんが。
でも、エルがお母さんというのはちょっと面白いかもしれないけど、個人的にはお姉さんの方が好きなので、お姉さんと言うことで。


と、いうことで、自分がロボットたちとどういう関係を築きたいかというと、エルの妹のエララさんとユーロパとらぶらぶしたいなぁ、とかそういうお約束なオチで。

[Today's tune]Millennium/Fear Factory