ユリイカ 文化系女子カタログ

どうにも男性中心で「萌え」が語られている実情の中で、「女子」の中ではいったいどういう状況になっているのか? という特集を組んでいくのは面白いとは思いますが。
ただ、どうにも違和感を覚えてしまうのは、「萌え」というものの奥底には、男性の女性化という側面が少なからずあるからだと思う。もちろん、「萌え」の底にあるのはそれだけではないだろうけれど、少なくとも「萌え」が男性的な文脈からはちょっと外れているのは確かだと思う。
なら、いったい「萌え」というのは何だ? と言われても、明確な答えなんてないわけですが、辞書的な意味
(1)マンガ・アニメ・ゲームの少女キャラなどに,疑似恋愛的な好意を抱く様子。特に「おたく好み」の要素(猫耳・巫女(みこ)などの外見,ドジ・強気などの性格,幼馴染み・妹などの状況)への好意や,それを有するキャラクターへの好意をさす。対象への到達がかなわぬニュアンスもある。
〔語源は,アニメ作品のヒロイン名とする説,「燃える」の誤変換とする説など,諸説ある〕
→おたく
→萎え
(2)(1)が転じて,単に何かが好きな様子。または何かに熱中している様子。
→フェチ
→マニア
」(goo辞書から)
というのはやはり間違っているんじゃないかと思うのです。
少し前に読んだ「ブルースカイ(桜庭一樹)」では、現代の「少女」の「かわいい」に相当するものとして、未来の「青年」の「面白い」という言葉がキーワードになっていました。
ここで、その「かわいい」「面白い」と同列に「萌え」をおけるんじゃないか、と思っています。
「かわいい」だとか「面白い」という言葉自体に意味などないように、「萌え」という言葉にも意味は必要ないのかもしれません。

[Today's tune]The End/Bullet For My Valentine