野性時代vol.25 「私の青春文学」100冊書評

こういう企画、実は好きだったりします。
いろんな人がいろんな本に様々な思い入れがあるんだなぁ、と思うと、何となく不思議な気持ち。
結果の方はやはりというか、村上春樹とか大槻ケンヂとか多かったですね。


人に言えるほど、青春というものを経験していない自分ですが、高校生の3年間が一般的な青春の最盛期だとするのなら、私が選ぶ青春文学は、間違いなく村上龍だったりします。
最近は新刊を追いかけることはなくなりましたが、あの頃は彼の著作はだいたい読んでいたんじゃないかと思います。限りなく透明に近いブルーをはじめ、愛と幻想のファシズム、KYOKO、五分後の世界、海の向こうで戦争が始まる、トパーズなどの代表作から、エクスタシーだとかそのあたりのものまで乱読してました。
そういった数々の中で「青春」という言葉が一番似合うと思うのは、コインロッカー・ベイビーズです。
コインロッカーから産まれた二人が、自分の根源を求めるストーリーです。
青春という時期が、一途に何かを求める純粋な時間だとするのなら、彼ら二人ほどその言葉に相応しいものはいないと思う。


村上龍の青春小説といえば、一番に69が来るとは思うんですが、個人的な好みでコインロッカー・ベイビーズと言うことで。