図書館戦争(有川浩)

図書館戦争

図書館戦争

メディア良化法が施行され、あらゆるメディアが検閲される現代。
本を読む自由を守るために、武装し、戦うことを決意した図書館。
ええと、そんな話です。
いやぁ、面白いなぁ、と。
武装する図書館というある意味素敵な設定なんですけど、それでもぐいぐい引き込まれるのは、やっぱりライトノベル特有のリーダビリティの高さなんだろうなぁ。
そこそこ予定調和的なストーリーではあるんですが、そこをきちんとまとめてくるのはさすがと言うところでしょうか。
同室の友人とかエリートのライバルとか、教官連中の使い方とか、良いですね。
あの、その、何となく恋に恋してる感じが良いじゃないですか? とか言ってみる。


というわけで、図書館の思い出でも語ってみようか。
図書館と言うところに一番通っていたのは、たぶん高校生の頃。
学校からそれほど遠くない、旭橋のすぐそばにある市立図書館に通ってました。
今考えると、結構大きな、それなりに施設の整った図書館だったと思います。
まぁ、そのころの自分に、そういう意識はなかったわけですが。
恥ずかしげもなく、村上龍を端から順に借りていったりしてました。
それが読み終わったら、辻仁成とか。
それでいて、川端とか三島とかは全然読んでなかったんで、やっぱり偏ってたんですね。
図書館と言うところは、考えてみれば奇妙な場所で、音楽を聴きたければライブに行ったりCDを買ったりしなきゃいけないし、映画だって映画館に行ったりしなきゃ見られない。小説だけが、図書館で、基本的に無料で借りられるわけです。えと、最近はCDとかDVDも図書館で借りられますが。
それだけ、本というものが特別なものだと言うことなんでしょうか。
アーカイブするというのは、人が生きていく上で基本的な行為だったりしますが、それが一番わかりやすく、さらには一番効果的に現れている場所が、図書館なのかもしれません。
……この前、藤沢の図書館行ってみたんですが、何となく微妙でした。
あの、閲覧室を占領する学生の群れ何とかなりませんか?


じゃあ、次はメディア規制についてちょっと書いておきますか。
たぶん、以前にも書いているとは思いますけど、個人的に本書に書かれているような規制については反対です。
だいたい、ホラー小説が青少年に悪影響を与える、とか言うなら、もっと先に取り締まるべき小説とかいっぱいあるんじゃないですか?
金閣寺に放火する話とか、外国行って女で遊んで捨てて帰る話とか、歯車の妄想の見過ぎで自殺願望を持つ話とか、女と心中を繰り返す話とか。
あと、足フェチだとかSM趣味の人が書いたような小説も、禁止するべきじゃないですか?
借金だらけでまともな生活してなかった人の詠んだ歌なんて、青少年が読んだら絶対に影響を受けそうだし、父親にくだばってしまえなんて言われるような人の書く文章が青少年に良い影響を与えると思ってるんでしょうか。
まぁ、はっきり言うと、読んだ人に絶対の影響を与えることができる本があるのなら、その本というものにきっと嫉妬することと思う。

[Today's tune]I Hope, I Think, I Know/Oasis