ネジ式ザゼツキー(島田荘司)

ネジ式ザゼツキー (講談社文庫)

ネジ式ザゼツキー (講談社文庫)

記憶に障害を持つ男が語るひとつの童話。
そこに隠された驚愕の事件の謎とは?
御手洗の推理が、男の記憶を呼び起こし、明るみに出される全ての真実。
さすがは島荘。
謎の大きさ、スリリングな展開、ともに十分読み応えのあるものでした。
特に、この息をもつかせぬ展開というのはすごいと思う。
途中に作中作として童話を挟んでいるものの、基本的には研究室の中だけで話は進んでいるというのだから。
ロジックのアクロバティックがこれほど気持ちよく決まるのはすごいなぁ、とか。
個人的には、すごい好きです。
評論的には、もしかしたら評判良くないかもしれないけど、それはそれ、これはこれ。
読んでいて気持ちいい、と思えるのが良い小説なんじゃないかな、と。
あと、なんだかんだ言っても、御手洗は良い性格に書かれているよなぁ、とか。
変人だけど、基本的にあまり人を見下した態度というのは少ないような気がする。
まぁ、相手がアレな人の場合は別ですが。
そのあたり、島荘の考えというのがだいぶはいっているんだろうなぁ、と。
二○堂センセイのところの探偵とは大違いだぜ!