小説の本の作り方 その1

jこの前あった文フリで、組版の話とか、装丁の話とかちょっとしたので、とりあえず、ボクがどうやって本を作ってるのか? と言うのをまとめてみようと思います。
少しでも、これから本を作ろう、と言う人の参考になればなぁ、と。


まず、大まかな流れを書きます。

  1. 文章を書く
  2. 組版する
  3. 印刷屋さんに持っていく



……思ってたよりもあっさりだな。
ええと、ほんとにこれだけです。
コピー本の場合は、印刷屋さんに持っていく代わりに、コンビニにコピーをしに行って、コピーしたものをホッチキスで留めます。
まぁ、基本的には3工程。
絵の本の場合は、もっとたくさんの手順があると思いますが、小説本の場合には基本的にはこれだけだと思います。
(表紙とか、挿絵とか、絵を使う場合にはその部分の作業がプラスになると思いますが)


第1回目は、この中でも文章を書く、と言う部分について書きます。
ええと、文章を書く。
あんまり説明は必要ないかなぁ、と思うくらいですが、そういってしまうと、こうして書こうとしていることの意義が失われてしまうので、退屈かもしれませんがお付き合いください。


もちろん、原稿用紙に万年筆で手書き、と言うのも良いとは思いますが、印刷屋さんに印刷・製本を頼むことを考えると、電子データでの作成がベターです。
あ、原稿用紙に一度書いてから、電子データに起こすというのもありだと思います。
手書き、キーボード、それぞれの文章に違いがあるとは思うので。
と、どちらにせよ、一度は電子データにしなければいけないわけです。
そこで、文章を電子データにするときに、いったいどのアプリを使うのか? というのが重要になってきます。
まずはじめに思い浮かぶのは、WORDなどのワープロソフトです。
メーカー製のWindowsPCだと、大体WORDがプリインストールされているので、それを使って書きました、と言う人も多いと思います。
しかし、個人的にはあまりお薦めできません。
ワープロは、あくまで「書類」のためのアプリだと思っています。
小説などの「文章」を書くのには向いていないと思うのです。
もちろん、文章の成形などを簡単に行えるというのはポイントだと思いますが、まず必要なのは、軽快に、思うままに文章を書けるかどうか、ということです。
その点、どうしても単純に書くことに特化していないワープロソフトはマイナスです。
ワープロソフトの出番は次の段階。まずは、テキストエディタを使うのが良いと思います。
テキストエディタは、ライトユーザの人にはあまりなじみがないかもしれませんが、Win付属のnotepadとか、秀丸とか、TeraPadとか、プログラムをやる人にはおなじみだと思います。
テキストエディタは、ワープロソフトと違い、(基本的には)単純にテキストを書くためのソフトです。絵の挿入などは行えませんが、テキストを書くだけであれば、必要にして十分。むしろ、軽快に動作する分、ワープロソフトよりも使い勝手は良いです。
例えばワードだと、ブラウザ開いて、文章も2つ3つ開いて作業していると、とたんに動作が重たくなって、しまいにいは、停止→作業中の文章ロスト、なんてことが良くありますが、テキストエディタだと、そのようなことは「ほとんど」ないです。
#元々windowsは、いろいろと巻き込んで落ちやがるので保証はできませんが。
と、それではどのようなテキストエディタが良いのか? と言うことになると思いますが、はっきり言って、どれでも良いと思います。自分が使いやすいのが一番。
まぁ、さすがにnotepadはあんまりお薦めじゃないですけど。
ただ気をつけなければいけないのは、テキストエディタって、結構プログラム用のものが多いと言うこと。と言うより、基本的にはプログラム用のものがほとんどだと思います。
個人的に、ちょっとしたファイルをいじるときにはViクローンを使ってますが、さすがにViで小説は書きにくいです。いや、キーバインドは大好きなんですが、どうしてもカーソル移動などが、小説書いてるときの直感とは違う動きなんですよね。viの上下カーソル移動は、基本的に「行」なので、長い一文でも、一気に次の行に移る。プログラムなどの一行が比較的短い場合は良いんですけど、小説のように一文が何行にもわたる場合は、表示上は次の行でも実際には同じ行の中にある、と言うことがあるので、若干とまどうこともあるんで。
emacsは、使ったことないんでよくわかりません。
そんなわけで、ボクが今使ってるのはJeditXMac用のテキストエディタ(シェアウェア)です。シンプルだけど、結構使いやすくて好きです。ただ、縦書きができない(もしくは「簡単には」できない)というのが弱点かも。個人的に、PCで書くときは、横書きじゃないと書けない人なので問題はないんですが、世の中には「日本語は縦書き!」という強い一派が存在しているので。
Windowsだと、O's Editorがお薦め。#http://ospage.jp/
昔というか、WindowsではO's Editor使ってました。
今はO's Editor2ですね。
こちらは、縦書きどころか、WYSIWYG対応という、高性能テキストエディタです。


あと、テキストエディタではないですが、アウトラインプロセッサという種類のアプリもあります。
これは、ツリー状でテキストを管理していくと言うソフト。
テキストの順番とか簡単に入れ替えたりできるので、結構これも便利です。
個人的には、メモ書きなどに使ってます。


と、文章を書くための環境について語ってみました。
──この環境で、どうやったら良い文章が書けるのか? は、それぞれ自分で考えてみてください。
ボクが語れるのは、文章を書くための環境だけ。
文章の書き方、というのはボクもまだ探し求めている最中です。


あ、あと上では書き忘れましたが、キーボードにもこだわってみると良いと思います。
ほんと、ちょっと良いキーボード使うだけで、疲れかたとか全く違うので。
ちなみにボクが使っているのは、HHKLiteの英語配列バージョン。
カーソルついてるのが良いんです。へたれなので。

[Today's tune]Apocalypso/Mew