龍の館の秘密（谷原秋桜子）

龍の館の秘密 (創元推理文庫)

シリーズ第２弾、こちらも創元で復刊です。
表題作は、以前読んでいるので、未発表短編の「善人だらけの街」の感想を。
うん。以前読んだ記憶が確かなら、これ、表題作よりも面白いよ。
すごくきれいにまとまってると思います。
久しぶりに、これほどうまいあのトリックを読んだ気がする。
けど、やっぱりこれ、富士ミス向きじゃないなぁ、と思ったり。
あのレーベルでやるには、ミステリっぽ過ぎるんですよね。
まぁ、仮にもミステリのレーベルで、ミステリ色が強すぎて合わないって言うのも本末転倒というか、訳がわからないとは思いますが、多分、あの頃の富士ミスを──地雷製造工場、地雷処理人育成施設との異名をとった頃を知っている人なら、納得して頂けるとは思います。
あの頃多発したライトノベル系ミステリレーベルの没落っぷりを見ていると、やはりミステリとライトノベルの融合って言うのは難しいのかなぁ、と思いつついますが、GOSICKとか実現できているのもあるし、いったい何が原因でそうなっているのか？　というのも難しいなぁ、と思います。
たぶん、ミステリとライトノベルの構造的な相違点を挙げていけば、説明できるものと思いますが、何となく、それは今年、涼宮ハルヒの憂鬱ネタでやった覚えがあるんで、今日は割愛。
で、表紙が何となくどっかで見た感じだなぁ、とおもったら、桜庭一樹の荒野の恋と同じ人か。
ふーん。納得。

[Today's tune]Ex.人間/Syrup16g