オイレンシュピーゲル壱(冲方丁)

そんなわけで、日曜日に「仕方がなく」秋葉原まで出向いて買ってきましたよ。
ちなみに、とらで買うと、特典で表紙のカード付きだぜ!
……ええと、気を取り直していきますか。
舞台は、近未来の「ミリオポリス」。
あと10年のうちに、ウィーンはこうなるのかぁ。今のうちに行っておきたいなぁ。
と思わせるような、素敵な場所が舞台。
そこで「踊る」のは、可憐な三人の少女。
くわえタバコで目の前の者を殴り飛ばし、ガムをくちゃくちゃ狙撃して、陽気に歌いながら切り刻む、本当に素敵な少女たち。

「なんか世界とか救いてぇ──」

今まで、あまたのヒーローたちが言ってきた言葉とは、πrad違う、気の抜けた、心からの言葉。
まさに、悪ふざけ(オイレンシュピーゲル)。


冲方丁というのは、欠損を描く作家だと思う。
シュピーゲルでは、文字通り、両手足が欠損し、それを機械で補った少女たちを。
マルドゥックでも、同様。
いや、欠損しているのは、形而下的なものだけではない。
形而上的なものも、彼ら/彼女たちは失っている。
機械というのは、それを埋めるもの?
仲間というのは、それを補うもの?
狂ってるけど、とても、気持ちが良い。


それじゃあ、明日はもうひとつの「シュピーゲル」を読む予定。

[Today's tune]This Is The New Shit/Marilyn Manson