MYSCON8(4/21〜4/22)レポ
というわけで、遅ればせながらMYSCON8のレポをっ!
- 今年8周年を迎えたMYSCONは、昼の部と夜の部の2部開催になりました。
- というわけで、まずは昼の部の感想から。
- 時間ぎりぎりで大丈夫か? と思いながらも、何とか昼の部開場の、ベルサール九段に。
- き、近代的だ。
- 隣では、某事務系SIerの就職説明会が。
- あー、ボク、そこ受けたことあるよー。
- 面接官がちょっと微妙だったので、辞退しましたが。
- と、そんなことはさておき、MYSCON8昼の部、いよいよ開催です。
- 昼の部は、ミステリチャンネル、早川ミステリーマガジン、ミステリーズの取材が入っていました。
- まずは、海堂尊さんのインタビュー。
- と、ここで、テレビ的な都合により、著作が並べられる。
- こういう場所がはじめてということで、若干緊張されてるご様子。
- バチスタについては、作品として書き始めようという意図はあまりなかったそうです。
- 宝島社からせっつかれて、次作を書いたそうで。
- 小児科、救急と詰め込んでいったら、6,000枚にもなって、長かったら売れない! との指摘により、それぞれ分けたのが、ナイチンゲールにジェネラル・ルージュとのこと。つまり、元々は二つが同時進行で進んでたものらしいですよ。
- ええと、このミス大賞は、2,3作目まで編集の他に、選者のアドバイスももらえるそうで。
- 賞あげてそれで終わり、というのじゃないのは、良いと思います。
- と、あと印象に残ったのは、本業がお医者様ということで、医療問題などについて、熱く語っていらっしゃいました。
- 現場は疲弊している。医療現場の人がカタルシスを得るために読んでいるのでは? とおっしゃっていました。
- そういう暗い部分があるからこそ、「話は、楽しく明るく!」という思いになるのかなぁ、と。
- 特別、社会派、というのは意識していないそうですが、そうやって常日頃考えていることが、出てくるんだろうなぁ、と。
- ちなみに、小説としては、ラストシーンがショートムービーのような形で浮かんで、そこに向けて書いていく感じだそうです。
- あと、ミステリといえばの京極は、「どすこい」しか読んだことがないとのこと。
- なぜ、どすこい? よりにもよって、なぜどすこい?
- 本業のお医者様から見て、医龍、テルあたりは、ちゃんと医療を描いているそうです。
- で、1日100枚ほど書けるそうです。すごいねー。
- 最後に印象的だったのは、「医者が本業」という言葉と、「本は読む人が手にとってはじめて「本」になる」という言葉。
- うん。特に後者は納得でした。
- 続いて、三津田信三さんのインタビュー。
- というわけで、MYSCON昼の部のとりは、桜場一樹さん。
- 意外にも、ミステリ系のイベントははじめてだそうです。
- 作品のテーマによって、ジャンルを変えているそうで。
- で、今回の話題の中心は、やはり赤朽葉。
- 第三部は、語り手が何かを成し遂げる→謎を解く→というわけでミステリに。
- 女の三代、国、一族、自分の歴史、というのは以前から書きたかったテーマだそうで。
- オーランボーのヴァージニア・ウルフが念頭にあったそうです。
- ただ、ヴァージニア・ウルフのように、360年間を日本でやろうとすると、どうしてもちょんまげになってしまうわけで。
- 「ちょんまげは書けないです」
- というわけで、戦後50年になりました。
- 昔の話、と言えばGOSICKなんかはそうなんですが、GOSICKもはじめ難しかったものの、だんだんとなれていったそうで。
- 海外については、記憶の中にあるものを書くので、書けるのだと。
- 例として、「ホームズがいるベイカー街」と挙げられていましたが、納得。
- 日本だと、やはりその変換が難しいそうで。
- で、「日本のケネディ家」をはじめ考えていたそうですが、東京(cf 石○家)よりも、地方の方が面白い、と言うことで鳥取に。
- とは言っても、GOSICKでやったような「架空」の世界、「キャラクター小説」的な世界だそうです。
- あ、ちなみに、桜場先生、おじさん受けが良いそうで。
- 「自分と、性別、年が違う人にも読んでもらいたい」とおっしゃっていました。
- 吉川英治新人賞にノミネートされましたが、ラノベとの違いに、ちょっと戸惑ったそうです。
- 売り上げが全ての業界にいたので〜とおっしゃっていましたが、それが、ラノベとその他の違いなんだろうなぁ。
- そうそう、桜場先生といえば、めがっさすごい読書量なんですが、「読まないと書けない」とおっしゃっていました。
- 大体、1日2時間、15〜20枚ほど書くそうです。
- で、出した分は入れる、と。
- 南米の小説からも、赤朽葉は、インスピレーションを得たそうです。
- その、赤朽葉の第二部。
- 最初は、毛鞠は演歌歌手になる予定だったそうで……
- 「みどりがいなければ演歌歌手に……」
- いつかは、不良時代の話をスピンオフで出したいっ! と。
- 毛鞠=鉄と、製紙業の闘い!
- 紙飛行機vs鉄パイプ!
- 髪が、鉄を切り裂く!?
- よ、読みたい……っ!
- 沸く場内。
- しかし、まぁ、そこを削ったのは、ある意味良い判断と言うことで。
- そのまま入ってたら、絶対吉川英治賞にノミネートされてないしw
- と、神林とカーでどちらが? と言う質問に「比べられない」と答える桜場先生。
- あー、そりゃあね。
- ちなみに、一昨年の文フリで、桜場先生と神林長平が、桜坂洋の紹介で初対面した現場にいました。
- というより、ボクのブースのすぐ前でした。
- あれは、びびったぜ!
- ええと、創元とか早川は、ミステリとSFが一緒に売られているので、あまり意識していなかったそうです。
- ミステリーは、過去を掘り起こす。SFは、未来的。長い時間に対する、二つの方向性と言うことで。
- カーのアンソロは「楽しかった」そうで。
- 密かに、あのアンソロの中では、桜場先生のが一番好きだったりする。
- 最近読んだのだと、団十郎切腹事件が面白かったそうで。
- 桜場先生のサインには、シールがついてくるのが有名ですが、これ、実はちゃんと本ごとに決まっているそうです。
- ちなみに、赤朽葉は4種類。
- シールを間違えると、大変!
- 「今日も、赤朽葉のシールを、七竈に貼りそうになって〜」
- あ、すいません。七竈持っていったの、ボクです。
- 他に、七竈をもってってる人が見あたらなかったんで、多分、紛らわしい犯人は、ボクです。すいませんでした。
- ここで、「文庫にシール貼ると赤字になるんじゃない?」と、インタビュアーの大森望から指摘が。
- 「GOSICKに、200円のシール貼ってた……!」と、桜場先生、ショックのご様子。
- ちなみに、シールはお財布の中に入っているそうなので、街角で突然サインを求められても大丈夫だそうです。
- ──とはいっても、そう言う、どこでもサインを求めたり、とか、やめた方が良いと思うけど。
- 次は、新潮から6月にミッションスクール、女子校ものが出るそうです。
- 読書クラブとか、少女ゲバラとか少女キャパとか。
- ……どんなだ!
- で、10月には、今連載中の「父と娘」が出るそうです。
- ヴィルヘルム・マイスター〜風で、オホーツク海沿岸だそうです。
- 最後に、小説とは、泥臭く、恐ろしいもの。読んだ人が忘れられない、怖い話を書きたい、と。「ついてきて下さい」と、締められました。
- 続いて、夜の部です。
- 場所は変わり、鳳明館森川別館。
- ふ、古い。
- 一気に昭和。
- 開会まで時間があったので、タバコ部屋でだらだらしたり、同人誌を買いに行ったり。
- あー、来年は、持っていこうかなぁ、とか。
- というわけで、大広間に移って開会式。
- はじめからテンションの高い参加者たち。
- 代表のshakaさんにおさえられつつ、企画説明など。
- 今年から全体企画がなくなりました。
- その分、思う存分ミステリについて話して頂こうという趣旨らしいです。
- 全体企画も、面白かったけど、こういう趣向も良いかも。
- そんなわけで、それぞれの企画に場所を移します。
- ボクは、まずは「ライトノベル・ミステリ会議」に。
- 昨年1年間の、「ライトノベルミステリ」で1番を決めてしまおうという企画。
- 裏でやってた、笠井潔の探偵小説論三部作の読書会にも、若干心惹かれるものがあったんですが、いかんせん、序説しか読んでいないという状況のため、ラノベにしました。
- ライトノベル・ミステリ会議は、10作ほど候補が挙げられていて、その中からベストを選ぶ形式でした。
- 前のホワイトボードに、ROOM NO.1301のポスターが貼られるという、ある種異様な雰囲気の中で、会議は始まりました。
- まずは、「”文学少女”と死にたがりの道化/野村美月」がやり玉に。
- 「”文学少女”シリーズは、ライトノベルサイトで評価が高すぎる!」という、のっけから厳しいお言葉が。
- 「ミステリの名に値しない」「大きいテーマを詰め込みすぎ」などと、次々と厳しい評価。
- ええと、ボクも、”文学少女”シリーズには高い評価を与えてるひとりですが、ミステリじゃないというのには、同意。
- これがミステリという人は、とりあえず、国名シリーズ全巻読んで出直してくると良いと思う。
- 「大きいテーマを詰め込みすぎ」というのは、まぁ、確かに、戦う相手が悪すぎると言う気はしている。
- だってさ、人間失格に嵐が丘に友情だからね。
- むしろ、そう簡単に越えられちゃ困る。
- そんなわけで、ファミ通文庫読者にはちょうど良いんじゃないか? と言う意見も。
- そんな中でも、3作目のメタ的な仕掛けには、ちょっと好意見も。
- 続いて、「うれしの荘片恋ものがたり/岩久勝昭」。
- 「GOSICK 6仮面舞踏会の夜/桜庭一樹」。
- 「しずるさんと無言の姫君たち/上遠野浩平」。
- 上遠野ファンには嬉しい仕掛けがあるらしいです。
- 倉知っぽいとか。
- 死体が美しい、幻想的という評価も。
- 「神曲奏界ポリフォニカ インスペクター・ブラック/大迫純一」。
- 「ドラグネット・ミラージュ/きぬたさとし」。
- 「EDGE5/とみなが貴和」。
- 「SHI-NO アリスの子守唄/上月雨音」。
- 「トリックスターズD/久住四季」。
- というわけで、最後に強引に大賞を決定。
- 大賞は、トリスタD、次点にドラグネット・ミラージュ。
- あと、今年の作品として、「かくてアダムの死を禁ず」「麗しのシャーロットに捧ぐ」をお勧められて、ライトノベル・ミステリ会議は終了。
- 企画責任者の方に、GOSICK最新刊の販促ポスターもらっちゃった。
- さんくー。>リッパーさん
- で、今度は「ミステリ・ザ・チーター」。
- 以前、テレビでやってたアレです。
- ルールが単純というわけではないので、若干戸惑いながらも、企画開始!
- ランキング問題以外は、もしかして、その場のほとんどの人がわかるんじゃないか? と言う問題。
- いや、むしろ、それくらいの方が面白い?
- ボケの人には、非常にやりにくい企画だったみたいで。
- とりあえず、見ていて、非常に面白かったです。
- 休憩を挟んで、MYSCON史上初となる、犯人当て企画「ザ・ラスト・トリック」の始まりです。
- ボク自身は、一応問題編に目を通した、というレベルで参加。
- だって、忙しくて問題を解くどころじゃなかったので……
- 解決編は、朗読劇形式で進められました。
- ふーん。
- へー。
- ほー。
- なるほどー。
- 難しいよっ!
- でも、面白かった!
- 作る方は大変だと思うけど、来年からも、犯人当てあると良いなぁ……
- というわけで、企画が大体終わったところで、雑談に。
- タバコ部屋が、某メフィスト賞作家の独演場に。
- うわー、去年は某メフィスト賞作家が参加されていなかったので、こんなんだとはじめて知ったよ!
- ごめんなさい! 積んでるダブ(エ)ストンちゃんと読むよ!
- しばらくして、場所を移してラノベとミステリの話。
- ラノベ読者の分類とか。
- たぶん、桜場先生の、「売り上げが全て」という話にも繋がってくるんだろうけど、ラノベって、これまでの「小説」とは「違うもの」と意識されているんだろうなぁ、と。
- あとは、ラノベミステリの未来は暗いとか、笠井潔が、もうちょっとベタなラノベの評論まで手を伸ばしてくれれば……という話とか。
- ラノベでも、探偵小説並の定義付けというか、こういうものですっていうのを示してくれる人、笠井潔じゃなくても良いんで、誰かいないかなぁ、とか。
- あー、東とかやってるのかなぁ? とつれづれに。
- 続いて、SFとかLNFの話題に参加。
- へー、イベントをやるのにも、いろいろと大変なんだなぁ、とか。
- ここでも、ラノベ読者の話とか。
- ええと、LNF、参加したくなったよ!
- と、気がついたら意識を失っていた。
- 約1〜2時間ほどたっていた。
- ふらふらと、たばこ部屋に移動。
- なんか、「萌え」について、めがっさ熱い議論が交わされていたので、こっそりと参加。
- とりあえず、自分の萌えに対する考えを話してみる。
- 「ブルースカイ/桜庭一樹」の中での「かわいい」「面白い」に相当するものが、「萌え」なんじゃないかと思っている。
- そうしているうちに、某参加者のキャバクラとメイド喫茶の話題に。
- め、メイド喫茶の話題はっ……
- これは、アレですか? 孔明の罠ですか?
- とりあえず、知らないフリして、「アキバのメイド喫茶なら案内できますよ?」とか言ってみるテスト。
- 案内できるってレベルじゃねーぞ! という突っ込みは無しの方向で。
- ちなみに、ゆめきゅー好きなメイドさんがいたり、メイドさんにミステリをお貸ししたりしたなぁ、とか。まぁ、そう言う話。
- そんなわけで、混沌とした状況の中、閉会の時間に。
- 大広間に集まって、閉会式。
- なぜか、テンションが高い参加者。
- 今年も、「家に帰るまでがMYSCONです」という代表のshakaさんの言葉に送られて、森川別館をあとにしました。
- で、そのあとは、他の参加者の方と、飯田橋のモスで話したあと、数人の方と秋葉原まで移動。大森のブックオフに行かれるとのことだったので、そこでお別れ。ボクは、ひとり、秋葉原の街へと消えていきました。
- そんなわけで、MYSCON8。非常に楽しかったです。
- 去年は、仕事があったので、あまり全力で楽しめなかったんですが、今年は思う存分楽しむことができました。
- まぁ、ちょっと慣れたというのもあるんだろうけど。
- ええと、アレですよ。
- ボク、ミステリ好きだったんだなぁ、と。
- しみじみ、そう思いましたとさ。@JAM Akihabara/20070430
- ……結局、メイド喫茶でMYSCONレポを仕上げるというネタをかまして、終わりにしたいと思います。
[Today's tune]A Free Period/The Lodger