JEANNE D'ARC

ジャンヌ・ダルク - PSP

ジャンヌ・ダルク - PSP

PSPと一緒に買ってみたやつ。とりあえず1回目クリアしました。
昨年末くらいに、ちょっとだけ話題になってたので、知ってる人いるかなぁ? と思うんですが、いかがでしょうか?
とりあえず、ゲームシステム的には、タクティクス・オウガと言っておけば大体わかって頂けるんじゃないかと。
ただ、戦闘が完全に敵と味方のターン制になっているので、わかりやすいというのがある反面、展開が急に変わったりしてピンチになることもしばしば。普通に、数百単位でダメージを喰らうので、集中攻撃喰らうと、回復する前にやられます。
というより、戦闘が意外に厳しいです。
「太陽」「星」「月」というみっつの属性を装備することができるんですが、この属性によって、相手に与えるダメージが数百単位で違います。雑魚敵だろうと、属性の相性が悪いと、ダメージまったく与えられなかったりするし。
そのくせ、戦闘中は装備を変えられないので、戦闘前にちゃんとチェックしておかないと、意外な苦戦を強いられます。
戦闘で他に特徴的なのは、変身というのができるとこ。
ジャンヌ・ダルクやジル・ド・レなど主要キャラは、戦闘中に「腕輪」の力を使って変身することができます。
変身すると、

  • HPが全回復する
  • 特別な必殺技が使える
  • 敵を倒すともう一度行動できる

などの利点があるので、いつどこで変身するのか? というのが、戦闘におけるひとつのポイントになっています。
ただ、変身してもやっぱり、属性の相性を埋めるところまでは行かないので、変身してもやっぱりダメじゃん! となることも。
そんなわけで、後半になっても戦闘に緊張感があって良かったです。
さて、それじゃあ話の中身に行ってみようかと。
あ、めがっさ思いっきりネタばれしますので。
ジャンヌ・ダルクと言えば、日本でも有名な英仏百年戦争の英雄で、高校の世界史で習った人も多いと思います。
というより、世界史は必修らしいですが。
もちろん、学校の勉強だけでなく、いろんなところで目にすることが多い名前で、ちょっと前にはリュック・ベッソン監督の映画もありました。
ただ、ジャンヌが実際には百年戦争でどういう役割を果たしたか? というところまでちゃんと知ってる人は少ないんじゃないかと思います。
オルレアン解放からランスでのシャルル7世戴冠式までは、フランス王としてのシャルル7世の正統性を知らしめるという象徴的な意味での「神の遣い」という役割が強かったんじゃないかと思っています。
ただ、戴冠式後、百年戦争が武力による決戦の段階から、政治的な収束段階へと移るに従って、武断的なジャンヌは疎まれ、パリ奪還も城門を破ることすらあたわず、そして、最期はブルゴーニュ派に囚われイギリスに引き渡され、リーアンで火刑にされてしまいます。
個人的にどうしても納得できなかったのが、どうしてジャンヌはそこまで武力による解決を急いだのか? というところです。
例えば、両親がイギリス兵に殺された、などといえば理由としてもわかりやすいんですが、残念なことに両親は故郷のドンレミ村に健在でした。
確かに、シャルル7世が正統なフランス王である、と知らしめるためにはランスで戴冠式を行うのは絶対の条件だったので、そこまでは武力を用いてでも、なんとしても実現しなければ行けなかったというのはわかるんです。
そのあと、どうしてそこまで? というのが本当に疑問でした。
で、このゲームの話に入りますよ。
このゲームでは、そのジャンヌが闘いに固執した理由を、上手く説明していました。
ええと、どういうことかというと、主人公側のキャラとして、ジャンヌの幼なじみでリアンというキャラクターを登場させたんです。ちなみにCVは能登かわいいよ能登
シノンでシャルル7世に謁見したあと、ジャンヌはランスへと向かいます。
その途中のとある街で、争いの末ジャンヌは谷底へと落ちてしまいます。
ジャンヌがいなくなった(状況から死んでしまったと考えられる)となっては、全体の士気に関わるし、そもそもシャルル7世がランスでの戴冠式をあきらめてしまうかもしれない。
そんな状況で、リアンはジャンヌの影武者となることを決心します。
そして、「ジャンヌ」となったリアンが導き、無事ランスでの戴冠式を終えることができました。
その後、国王となったシャルル7世の周辺では、戦いよりも政治的な──という方向に動き出します。
(このあたり、実は裏で操ってる「魔王」がいて……というあたりなんですが、そこは割愛)
ジャンヌ=リアンにも、戦いはもう……という雰囲気になりますが、リアンには「自分はジャンヌの代わりとしてフランスのために戦う」という使命があります。
それ故、一気にパリを落城させようと向かうことになるのです。
が、パリ奪還もならず、失意のうちにジャンヌはブルゴーニュ派の罠にはめられイギリスの異端裁判にかけられることとなります。
ここで、視点がいったん変わって、実は生きていたジャンヌになるわけです。
新たな力を手に入れて、囚われたリアンを助けるために、ルーアンへと急ぐジャンヌたち。
しかし、あと一歩のところで、リアンは火あぶりにされてしまいます。
いや、ほんとこのあたりのストーリーの流れが秀逸です。
プレーヤとしては、ジャンヌの悲劇的な最期を知っているわけじゃないですか。
いったい、どうやってそこまで持っていくのか? そして、どうやってその先を続けていくのか?
とほんとドキドキだったわけですよ。
リアンがジャンヌの影武者になったときには、「あー、この娘をジャンヌの代わりに殺すんだなー」と思ったりしましたが、だんだんと「なんとかリアンを助けるルートとかあるんだろうなぁ」と思ったんですが、ばっさり殺しちゃうんだもん!
軽く鬱になれるよ!
そのあとは、史実からファンタジーへと流れは変わって、このゲーム独自の流れとなっていきます。
終盤、ロジェというキャラクタの内面世界の話で、リアンが出てきたときは、思わず泣きそうになった。
ベタな演出だけど良かった!
戦闘ではリアンがあまりに弱くてどうしようかと思ったけどな!
というわけで、史実とファンタジーを、上手く繋げたなぁ、と言うことで。
今更ながら、これ、お薦めですよっと。
あ、ちなみに、ジャンヌは坂本真綾で、イギリスのヘンリー6世はこおろぎさとみのショタっ子だ!
あー、次は何やろうかなぁ?
PSPで面白いゲームがあったら教えて頂きたく。