私的な桜庭一樹と音楽の組み合わせ

桜庭一樹直木賞受賞がおめでたい今日この頃ですが、ボクものってみて、桜庭一樹関連のエントリでも書いてみようかと。
そんなわけで、桜庭一樹の本5冊と、それにあう音楽を選んでみるというテスト。
5冊しか選ばないというのは、非常に難しいと言うか、ほとんど無理なんじゃね? と思ったりする訳ですが、際限なくなるのもあれなので、がんばってみる。


私の男

私の男

やはり、直木賞受賞作の私の男から。
冬のオホーツクの冷たさ、東京の闇、依存と妥協と恐れと優しさと愛しさと、そういった様々なものが混在し、重層的に描かれるこの小説には、やはりradioheadかなぁ、とか。それも、やっぱりKid A。トムヨークの、苦しげな声に、繰り返すメロディと、私の男の、描かれるいくつかの事件が重なります。


少女七竈と七人の可愛そうな大人

少女七竈と七人の可愛そうな大人

続いては、個人的にとっても好きな少女七竃と七人の可愛そうな大人。
これは、北の凍えるような澄んだ空気と、それを汚すという行為の背徳感がたまらない作品。
そんなわけで、Feed Me With Your Kiss/My Bloody Valentineを選択。
美しいメロディを、歪んだギターが蹂躙していくさまは、少年少女と言う美しい時代を、桜庭一樹が強烈な文章で描き出すのと似ていないでしょうか?


ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)

ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)

折り返し地点3作目は、ブルースカイ。
たぶん、桜庭一樹の中では地味な方かもしれないけど、「少女」というものがいったいどういう存在なのか? という桜庭一樹作品で何度も語られている事象を考えるときに、外せない作品じゃないかと。
ラストシーンのきれいな空は、どこか、懐かしさとともに切なさを感じるのです。
Krafty/New Order


GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)

そして、外すことはできないGOSICKシリーズ。とりあえず、纏めて読んでヴィクトリカに萌えれば良いと思う!
いやいや、そんなことを言いつつも、なにげに桜庭一樹には珍しいミステリのシリーズ物。貴重です。カー好きなだけあって、雰囲気、トリック、両方とも面白いのです。
曲は、そんあヴィクトリカのかわいらしさと、陰の部分両方に通じるんじゃないか? というわけでCoccoの眠れる森の王子様 〜春・夏・秋・冬〜。


砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)

最後はやはり、砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないで締めるかなぁ。
思えば、ボクが桜庭一樹にはまるきっかけになったのも、この作品だったし。
大人に翻弄される少女と少女。
陰鬱な暴力性と、それにより、さらに光り輝く切ない絆。
ほんと、いろんな人に読んでほしいと思う。
誰かのために、と、それが、いつか自分のためにもなりますように。
プラスチッタルームと雨の庭/fra-foa