ヘヴィーオブジェクト/鎌池和馬

ヘヴィーオブジェクト (電撃文庫)

ヘヴィーオブジェクト (電撃文庫)

ちょっと前に、
ラノベで戦争ものってなんかない?」
というのをtwitterで聞いてみたときに、教えてもらったので読んでみました。

 結局、戦争はなくならなかった。
 でも、変化はあった。くだらない殺し合いが淡々と続く中にも、変化はあった。
 超大型兵器オブジェクト。
 それが、戦争の全てを変えた。
 戦場に派遣留学した学生・クェンサーは、整備基地で、奇妙な雰囲気を持つ少女と出会う。その少女は『エリート』と呼ばれていた──『オブジェクト』のパイロットとして。
 近い将来。このちっぽけな少年は、少女のために、最強の兵器『オブジェクト』へと、生身で立ち向かうことになる。
 これは、そのきっかけとなる出会いだった──。


バー折り返しあらすじより

というあらすじです。


あらすじの通り、生身で最強の大型兵器──オブジェクトをはっ倒す話です。
いわゆる、ジャイアントキリング
もう、この設定だけで思い出したのが、アーマードコア4 for Answer。

アーマード・コア フォー アンサー PLAYSTATION 3 the Best

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人型兵器アーマードコアネクスト」に搭乗するパイロット「リンクス」となり、
戦場の主役である超大型兵器「アームズフォート」をぶっ倒すゲームです。
──いや、それだけじゃなくて、いろいろ深い設定はあるわけですが。


というわけで、この良く似た超大型兵器、「オブジェクト」と「アームズフォート」を比較してみたいと思います。

  • 大きさ

 本体だけで全長五〇メートル、砲の長さまで含めればそれ以上のサイズを誇るこの新兵器は、登場と共にこれまであった戦争の常識を全て塗り替えてしまった。


ヘヴィーオブジェクト/序章

というわけで、「オブジェクト」は50メートル程度だということがわかります。
一方、アームズフォートは、
最大(と思われるGA社のグレートウォール)もので、全長7km。
まぁ、GWは列車みたいに細長いやつなので、他のを見てみると、
BFF社の主力AF「スピリット・オブ・マザーウィル」が全長2.4km、全高600m。
いっぱい出てくる雑魚AF「ランドクラブ」で、だいたい1kmもないくらいじゃないかと。
なので、大きさとしては、「オブジェクト」側が圧倒的に小さいですね。
これはやはり、「ヘヴィーオブジェクト」が「生身の人間vsオブジェクト」、
「AC4fA」が「人型兵器ネクストvsアームズフォート」という違いから来てるんじゃないかと。
兵器としての優劣を考えると、単純な大きさというのはやっぱりひとつの脅威となるだろうし、
逆に、小回りが利く、という意味で無用に大きくない、というのもあるので、
大きさだけでどうこう言えるものじゃないよね、というわけで。

 メインの兵装は、球体後部から伸びる七本のアーム。
 そこに接続された七門の巨砲は、同格のオブジェクトすら貫通する。
 さらに他にも大小一〇〇門近い砲台が球体状の本体の全面にびっしりと取り付けられ、もはや『最適化された兵器』というより『考えつく限りの武力を片っ端から寄せ集めた異形』のような印象があった。


ヘヴィーオブジェクト/第一章

というわけで、レーザーとかレールガンとか、思いつく限りの強そうな装備が
これでもか!と備えられているようです。
一方のアームズフォート/アーマードコアですが、
ゲーム終盤に登場する最新式飛行型AF「アンサラー」だと、

  • レーザーキャノン
  • ミサイル
  • コジマミサイル
  • 大出力アサルトアーマー

などに加えて、迎撃レーザー機構などが備えられています。
ちなみに、コジマミサイルというのは、ネクストにとって脅威となるコジマ粒子をばらまくミサイルで、アサルトアーマーというのは、そのコジマ粒子を利用して周囲に大爆発を引き起こす、バリアをぶつけるようなものです。
で、比べてみると、砲ひとつひとつは対等かもしれないですが、
総合火力だと「オブジェクト」の方が上のようです。

  • 操作性

で、いくら大きくても、いくら火力を持っていようとも、それを操れなければ、
どんな兵器でも意味はありません。

 軍のフローチャート条件によって検索され、求められる項目を完全に満たした者。
 さらには各オブジェクトに合わせて化学的・電気的な手法で人工的に資質を研ぎ、磨き、改良を施し──そこらの天才を軽く超える才能にまで発展させる事で、ようやく人間はオブジェクトを操るための端末となる。


ヘヴィーオブジェクト/第一章

この記述だけでなく、他の箇所でも語られますが、「オブジェクト」を操る「エリート」は、その名の通り、他に変えの効かない、ワンアンドオンリーパイロットであることがわかります。
一方、アーマードコアのアームズフォートは、方向性が全く逆です。
個人の能力に依存しない、代替が可能な多数の人員によって運用される兵器であることが、作中でも語られます。
兵器として、どちらが優れているか? というと、
やはり、「アームズフォート」であると言わざるを得ません。
人ひとりの状態に左右される兵器では、安定した効果はやはり求められません。
#逆に、個人の状態に左右される兵器だからこそ、
ヘヴィーオブジェクトの話が面白くなるのかもしれませんが。


と、何点か考えてみましたが、
兵器として見る場合には、やっぱりアームズフォートの方が現実的かなぁ、と。
戦場に起因するPTSDなどが問題となっていることも考えると、
やはり、パイロットひとりに全てを背負わせるのは、やはり問題じゃないかなぁ、と。
ただ、物語としては、やっぱり「多数の中のひとり」よりも、
「たったひとりの君」の方が、特別感がでるわけで、
こういうことは考えずに、思いっきり楽しめば良いと思うんだ。


ちなみに、ことひとさんは、

 スラリとした長身に、軍服を内側から強烈に盛り上げる爆乳。

のフローレイティアさまが良いです。


と、戯言はおいといて、ジャイアントキリングの爽快感を少しでも楽しんでもらおうと、
ことひとさん的アーマードコア4 for Answerのアームズフォート戦ベスト3!

  • 第3位 不明アームズフォート


オペレーターのお姉さまに「変態どもがっ!」と言わしめた、
トーラスによるランドクラブの魔改造アームズフォートです。

  • 第2位 アンサラー


パッケージにも描かれているコジマの化け物、アンサラーです。
動画の途中で、何度かオペレーターのお姉さまが注意を促してくれるのが、
敵のアサルトアーマーです。
喰らうと、自機のプライマルアーマー(バリアーみたいなの)が吹き飛んで、
大ダメージも喰らいます。
動画だと、上のミサイルポッドを落として、外から撃ってますが、
ミサイルポッドの下に潜り込んで、中から中心部を撃ちまくっても勝てます。
#というより、その方が楽……

  • 第1位 スピリット・オブ・マザーウィル


やはり第1位は、OP映像にも出てくる、アームズフォート・オブ・アームズフォート、「スピリット・オブ・マザーウィル」。
ゲーム上、最初に相手にすることになる主力AFであり、
超長距離砲、多数のミサイル、などなど、AFのイメージそのものです。
ミッション自体も、VOBでの超高速接近など、AF4fAの要素を詰め込んだ感じで楽しめます。


というわけで、結局ヘヴィーオブジェクトとはあんまり関係ないんじゃね?ということを書いたりしてみました。