カクレカラクリ(森博嗣)

カクレカラクリ?An Automaton in Long Sleep

カクレカラクリ?An Automaton in Long Sleep

あー、久しぶりだなぁ、森博嗣
もういつぶりだろう? 四季以来だったかなぁ。
そんなわけで、それほど期待していなかったんですが、意外に面白かったですよ?
まず、120年前のカラクリという、謎の設定が独特で魅力的。
機械好きである森先生も、楽しんで書いてたんだろうなぁ、というのが見えてきます。
カウンタについては、ちょっと拍子抜けの面もあったけど。
で、その謎を解き明かしていく過程も面白い。
考えている過程というか、どのような筋道を辿っていたのか? というのが、はっとさせられるような表現で綴られています。p.229とか、すごく良いなぁ。
登場人物も、いつもの森博嗣というか、シリーズもののやつと違って力が抜けている感じで良かったなぁ。
逆に言うと、あまり深く描かれていないから、嫌なところが出てなかっただけなのかもしれないけど。
そんなわけで、玲奈はツンデレという認識でよろしいのでしょうか?


それはさておき、森博嗣とコーラと言えば、キューピッドなわけですが、でてきませんでしたね。
やはり、コーラはコーラのままで、というコカ・コーラ社の思惑なのか、それとも、単にカルピス側に断られたのか。先生あたりがキューピッド飲んでても、悪くなかったと思うんですが。
あ、ちなみにキューピッドとは、森博嗣のS&Mシリーズ内で犀川先生が飲んでいる、カルピスのコーラ割りです。
甘いです。なまら甘いです。
物好きな方はお試しあれ。

ライトノベル三大奇書の話の続き

先日、こんなエントリを書いたわけですが、いつの間にやらトラックバックがついていたりしてびっくり。いや、そもそもそんな反応なんてないだろうなぁ、と思いつつ書いていたわけなので。
というわけで、
■[book][ライトノベル]ライトノベル三大奇書の選考基準(ウィンドバード::Recreation)」。
こちらのエントリを読んで、あー、確かにボク、ミステリ三大奇書に侵されすぎてるかなぁ、と思ったり。
なので、少し気をつけながらライトノベル三大奇書について考えてみることに。
選考基準についてはhttp://d.hatena.ne.jp/kazenotori/20060914/1158170227で、

今回の選考基準は「異端で、怨念がこもっていて、完成度の高いライトノベル」です。

上記のように述べられています。
奇書って言うくらいだから異端だろうし、完成度高くなかったらただの駄作。
怨念というか執念がこもっていなかったら、そもそもそんなの書かないだろからそれも納得。
それで、さてどの作品を選べばいいのか? と言うことですが、むぅ、難しいです。
そもそも、ライトノベルってなんだ?
……調べてみる。
wikipedia:ライトノベル
へぇ。つまりは、あなたがライトノベルと思えばライトノベルっていうこと?
「本格」ミステリとあんまりかわんないんですね。
しかし、これじゃあどれを選んで良いのかわからない。むしろ、調べる前よりも混乱。
というわけで、三大奇書の条件というものを自分なりに考えてみようかと。
個人的には、次の三点が奇書の条件だと思います。

  • ジャンル定義への純化
  • ジャンル定義からの越境
  • ジャンル定義の否定

ミステリで言うと、上から順番に黒死館、ドグマグ、虚無だと考えて頂ければわかりやすいんじゃないかと。
全くの真水に魚が住まないのと同じように、真に純粋なものは、それだけで異質なものとなります。
その形式をとりながらも、境界を越えるものは、その行い故に異質と見なされます。
自らを否定するものは、やはり異質じゃないかと。
そうやってちょっと考えると、絶望系閉じられた世界(谷川流)は、2番目の越境にあたるのかなぁ、とか。
あとの二つは、よくわかんないですが。


……だめだなぁ。とりあえず書いてみた感が強すぎる。
というより、全然考えられてないよ!
やっぱり、全体的に読書量が少ないよね。うん。


ところで、ミステリ以外のジャンルにも三大奇書ってあるんでしょうか?
SFとかどうなのかな? かな?

[Today's tune]Vapour Trail/Ride