いいひと。(高橋しん)

文庫版も完結という事で、通しての感想を。
いいひと。
そのタイトルからドラマにもなったからご存知の方も多いと思います。
「周りの人の幸せが自分の幸せ」という主人公を中心としたお話です。
優二はずっと、周りの人が幸せになれるように、その思いで動き続けます。
だけど、これはきっととてもきつい事なんじゃないかって。
いや、優二がじゃなく周りの人のほうが。
常に「自分の幸せは何?」という問いをし続けなければ行けない訳で。
けれど結局そんなのはっきりと分かる人なんかほとんどいないのが現実だと思ったり。
少なくとも自分はその問いに明確な答えを出す事はできないです。
だから、周りにそれに向かって進んでいる人がいたら、どんどん焦っていくだろうし、
それじゃなくても、本質的にそれを求めていくだろうし。
僕はここにいるよっていう事を、誰かに知ってもらいたい。
そのためにも、僕はここにいるの? その問いに答えを。
ここにいても良いの? 誰かの微笑みを。
僕はここにはいない??誰もが自分自身だけを見ていて、結局他人の事なんてどうでも良い、という場所ならいっそ……
自分の周りには、せめて何かを求め続けていられるような人がいてくれますように。
そうすれば、きっと自分一人じゃできない事もできるように。
結ばれて、繋がれていくからこそ、できる事もあるのだから。
自分が??一人一人は弱かったとしても、助け合えばきっとできる事もあるはずだから。
僕はここにいるよーーそう言える、自分であるために。
特別でもなんでもなくて良い。そう言える自分でさえいれば。
きっと、それが最後の二階堂さんの笑顔。


まじめな後でなんですが、最萌は、東大出身の才女でありながらどじっ子キャラという得難い属性をもつ二階堂さんで。
でも実際には有森さんの方が……
……だから最後にこんな風にやっちゃうからしまらないんだって。

[Today's tune]DRIVE/スーパーカー