猫と庄造と二人のおんな(谷崎潤一郎)

猫と庄造と二人のおんな (新潮文庫)

猫と庄造と二人のおんな (新潮文庫)

たぶん、恥ずかしながらまともに谷崎読んだの初めてかもしれない。
いや、もちろん学校の教科書で読んだりはしていますが。
この事実からでも、自分がどれだけ駄目文章書きかがわかろうというもの。
印象としては、一文が非常に長いな、と。それでいて読みやすさが損なわれていないのは、単語の選び方が秀逸なのと、そのつなぎ方も優れているからに他ならないからではないでしょうか。
何かに隷属すると言うことは、多分、この小説が書かれた時代よりも現代の方がすんなりと受け入れられる思想なんじゃないだろうか。
いくら自由を気取ってみたところで、数限りないワイヤーに絡め取られているのだから。
そんな言葉を気取らなくたって、昔よりも細かいジャンル分けーー自分のスタイルすらも、何とか風とかネーミングする風潮。テレビで流れた数時間あとには、スーパーから商品が消え、流行のスポットには、何を押したって駆けつける。
これを、隷属していると言わずして、何を言う?
で、その隷属している状況を自覚的に言い表す言葉のひとつが「萌え」だったりするのかと、我田引水。
と、良い感じに繋がってきたところで、猫萌え? リリー萌え?
はううぅ、かあいいよぉ。お持ち帰り〜。
……となるくらいに、谷崎の書く猫に萌え萌え。
さすがは、名だたる文豪谷崎潤一郎。現代の浮薄な作家では太刀打ちできない「萌え」文です。
……それにしても、谷崎の文章で萌え萌えなんて、読む人が読んだら、怒り狂ったりされるんじゃないのかな? かな?
……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。

[Today's tune]SLAVE/LUNA SEA