夏、19歳の肖像(島田荘司)

新装版 夏、19歳の肖像 (文春文庫)

新装版 夏、19歳の肖像 (文春文庫)

ええと、後書きによると、昭和60年くらいに書いたものの文庫新装版だそうです。
けれどほとんど色あせない魅力があります。
青春ってこういうのなのかなぁ、と思ったり。今の島荘の理知的なミステリも好きですが、こういう理がありながらも情をここまでも瑞々しく描けるのか、と。


島荘の小説というのは、どこか自分の琴線に触れるようなところがあって、読むと自分も何かを書かなきゃいけないんじゃないか? という思いになる。こういうふうに、何かを引き出そうとしてくれる島荘の文章というのは、本当に暖かいのだなぁ、と。文章に人柄が表れるというのが事実であるのなら、島荘は理知的で優しい、本当に素敵な人なんだろうなぁ、と。……なんか信者みたいな文章だなぁ。ま、いいか。

[Today's tune]7Weeks/INME