GOSICK(桜庭一樹)

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)

あっさりさくっと読めつつも、それなりに読後感のあるもの、というある意味矛盾したものを読もうと思って、ライトノベルでありつつも桜庭一樹ならそこはかとなく重いものでも書くだろうと思って読んだら、見事にあたり。
ミステリ的には……ええと、クリスティーのアレにカーのアレだったりするんですが、
大人に翻弄される、無力な子供たち。
そんな子供の「枠」から外れつつも、「檻」に閉じこめられるヴィクトリカ
本文中で直接的には語られてはいないですが、金髪の人形のような少女は、その長い髪を垂らして王子を誘い込んだラプンツェルを意識しているのでしょう。
ならば、迷い込んだ一弥は、彼女を助け出す王子?
「混沌(カオス)」を「知識の泉」により「言語化」するヴィクトリア。
雰囲気を盛り上げるための言葉としてとられそうですが、実際のところこのプロセスこそが、ミステリの本来の姿なんだと思う。


で、ヴィクトリアですよ。うん。もう見事じゃないですかっ。
あーヴィクトリカにいぢわるなこと言われてー。