ネコソギラジカル青色サヴァンと戯言遣い(下)(西尾維新)

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

やっと完結、ついに完結、とうとう完結。
今間違いなくもっとも注目される作家の一人、西尾維新のデビューシリーズにして代表作、戯言シリーズ堂々の完結です。
……という書き方をしたら、西尾維新っぽいでしょうか?
最後の幕切れは、彼の文章のようにあっさりとしたものでした。
この終わり方に、賛否両論あるとは思いますが、それすらも西尾維新の計算のうちなんだろうなぁ、と。


西尾維新、そして戯言シリーズというのは、その実体よりも大きな存在になりすぎてしまった感があります。
ゼロの波とか、脱格系とか、キミとボク、セカイ系
周辺の状況があまりにも騒がしく、表層があまりにも言葉に似合いすぎていて、だからそういう流れの代表みたいなものになってしまって。
そういったもろもろの現象に対する回答が、このラストのあっけなさなんだと思う。
このラストをなんの違和感もなく受け入れられる人と、どこか居心地の悪さを感じる人、西尾維新には相応しくない、と怒る人、きっといろいろといると思うんです。
でも、その全てがこの小説、このシリーズに対しての正当な評価であり、木の実が文系少女っぽくて良いだとかいーちゃんの周りは大人のおねーさんばっかりだっ! とかラストのあの人のイラストをみたかっただとか絵本さんが水着×白衣いいぃ!? だとかやはり個人的には哀川さんが、というより、わざと名字で呼んで半殺しにされてみたいとか、そういうのは不当な評価だと思うのですが。