走れメロス(太宰治)

走れメロス (新潮文庫)

走れメロス (新潮文庫)

昨日の日記でも書きましたが、今さらながら太宰です。
個人的な好みでは、女生徒>東京八景>富嶽百景といったあたり。
もちろん、他のも非常に素晴らしいです。
あー、これは太宰にはまるの分かるなぁ。
というより、実際はまりかけだなぁ。
ええと、走れメロスが国語の教科書に載っていたり、学芸会で演じられることが多いのは、日本人の皆さんには先刻承知のことと思われますが、実際、走れメロス一編を読んでも、十分におもしろさというのは感じられないんじゃないでしょうか。
他の短編に表立って現れているような、深い慟哭のようなものがあるからこそ、メロスの純粋な想いというモノが際だつんじゃないかと。
むしろ、それほどまでに悩み続けた太宰が書いた、信頼、友情だからこそ、あそこまでに美しく映るのだろうなぁ、と。

[Today's tune](White Man) In Hammersmith Palais/The Clash