涼宮ハルヒの暴走(谷川流)

涼宮ハルヒの暴走 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの暴走 (角川スニーカー文庫)

いやぁ、なにげにこれも面白かったなぁ。
やはり、だんだんと面白くなるシリーズ展開だったのかなぁ。
まぁ、時系列的にはバラバラなんで、だんだん盛り上がると言うよりは、書く方が小慣れて来るというか、読むほうも楽しみ方がうまくなると言うか、そういうのがあるのかもしれないですね。
それじゃあ、ネタばれ的なものは避けて感想行ってみますか。
まずは「エンドレスエイト」。
ええと、夏さいこー。
プールは、まぁ、予想通りだとして、浴衣が良いんじゃないかと。
何が良いって、長門さん@縁日じゃないですか。
もう、子犬がしっぽを振るように、喜んでいるのが目に浮かびますよ。
……まぁ、ほとんど無表情なわけですがっ。
でもやっぱり、ハルヒかわいいなぁ。こんなに夏休みを楽しむなんてねぇ。
あー、もうっ。
で、「射手座の日」。
これは完全に長門さん大活躍の巻、ですね。
とりあえずは、長門さんによって、GUIよりもCUIのほうがオペレーティング速度は早い、ということが証明されたと言うことで。
ところで、小説ではほとんど長門さんがヒロインと言っても良い状態になってますが、やはりこれは登場人物の位置づけ的にそうなってしまってるのかな? と思うところもあり。
ハルヒは一応はヒロインではあるけど、自分の特殊性を自覚してはいけない、という制約があるために、どこか一線越えられないものがあるように感じます。つまりは、ハルヒを特別なものとして認識しているSOS団メンバからの視点でのみヒロインとして存在しているので、それ以外の視点というのを考えたときにヒロインではなくなるような気がするんですよね。まぁ、それを避けるための、過剰なキョンのひとり語りになるんだろうけど。
あと、「萌えキャラ」という位置づけの朝比奈さんですが、確かに萌える要素はたくさん持ってるかもしれないけど、その裏にあるモノがまだまだ描かれていないためなのか、ヒロインという位置を得るのは難しいと思います。
やはり、未来人視点から現在を描くとか、そういうのが基本的な構造としてあると思うので、視点として現代人のキョンを持ってきてる涼宮ハルヒシリーズで朝比奈さんがヒロインの位置を占めることはないんじゃないでしょうか?
ええと、あとは鶴屋さん? あのテンションは非常に良いですがっ。
その鶴屋さんの別荘で繰り広げられる「雪山症候群」。
──これを明らかなミステリの構造と言ったやつを今すぐ呼んでこいっ!
まずはクイーンの国名シリーズ全部読み直せっ!
……というのがまずの感想。
確かに、雰囲気や話の流れはミステリっぽいと思いますが。
それでもこれはミステリじゃないだろう、と。
とりあえずミステリの偉い人たちの意見を聞きたいところではあります。
まぁ、あれだ。
やっぱり長門さんがヒロインと言うことでFA?
ちなみに、長門さんヒロイン化はある意味当然の流れなような気がします。
ロボットとかアンドロイドとか、そういう作られたものが感情を手に入れていく過程というのは、それだけで十分にひとつのテーマとして成り立つものなので。
例えば、セリオさん@To Heartとか。
つまりは、セリオさんが好きなので長門さんも良いよ? ということでひとつ。

[Today's tune]日常に生きる少女/Number Girl