美しい都市・醜い都市 現代景観論(五十嵐太郎)
- 作者: 五十嵐太郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/10/01
- メディア: 新書
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いや、教養のないボクですが、ちょっと都市とか建築とかそっちの方には興味があるので。
「美しい」街並みってなに? という素朴な疑問を考える上で、十分助けとなる本です。
読んでみて、あー、やっぱりな、と納得したり。
日本橋と首都高について触れられている章が、特に良かったです。
個人的に考えていたことが、やっぱりそうだったんだな、と。
ええと、現在日本橋の上には首都高が覆い被さっています。
それを地下に通してしまい、日本橋の上に空を取り戻そう! なんてプロジェクトが進んでいます。
はっきり言うと、これほど愚かな計画はない、ということで。
ほんと、ほぼ毎日のように日本橋とその上の首都高を見ていますが、アレが醜い風景だとは思えないのです。
いったい、あの首都高をなくしてどうしようというのか?
なぜアレをどけなくちゃいけないのか? と言う問いに推進派は、「景観」と答えるんだろうけど、だったら、あの周りの街並みは?
むしろ、日本橋の貧相な実態が白日の下にさらされるだけじゃないのか? と。
暴言を吐いてしまうと、首都高のない日本橋なんて、見られたもんじゃないですよ?
アレが、世界に誇れる日本の橋なんて、間違っても言うことができません。
だったら、誇れるような橋にするのか?
あんな狭い、汚れきった川には、どんな橋を架けたって無駄だろう。
個人的見解を述べさせてもらえば、首都高ですらまだたりない、と思っているのに。
何層にも重なるハイウェイ。両脇には天を突き刺す摩天楼。
そんな、どこかSFにも通じるような光景が見たいのです。
残業の合間、屋上でひと休みしているとき、日本橋と首都高を見ながらそんなことを考えています。