アイルランドの薔薇(石持浅海)

アイルランドの薔薇 (光文社文庫)

アイルランドの薔薇 (光文社文庫)

これまたとっても普通じゃない閉鎖状況!
ミステリマニアならハァハァ。
後半のどんでん返しは、おおっ、と思いました。
ただねぇ、やっぱりねぇ、小さいなぁ、という印象が。
普通じゃない、とは言っても、それほど奇妙な閉鎖状況というわけじゃないし。
こういう閉鎖状況の作り方なら、もっと上を行くだろう、というのがあるだろうし。
そういって考えると、やはり動機というか、題材の選び方がうまいのかなぁ、とか。
北アイルランド問題なんて、普通ミステリで取り扱おうなんて考えないよ。
しかし、またこれも石持浅海の特長ではあるんだけど、いまいち突っ込みが足りないというか、そういう面があるのも確か。
扱ってる題材も面白いし、ミステリ的な道具立ても悪くはないんだけど、今ひとつ抜けきれないというか。詰め込みすぎ、というわけではないんだろうけど、うまいなぁ、とは思うんだけど、インパクトが足りないというか。
いや、多分、一般的なミステリ読みには十分満足できるものだと思うんですよ?
でも、ほら、ボク、普通じゃないから?
……そりゃね、メイド喫茶に通い詰めるミステリ好きなんて、ボク以外に聞いたことないよ。