時をかける少女

そして、今さらですけど、時かけ観てきた。
意外に、お客さん結構はいってました。
そして、そのお客さんのほとんどがエンドロールの最後まで残っていた、というのがこの映画の全てを語っていると思います。いや、ほんとに最後まで帰らないんですよ。席立ったの、ボクが見える範囲でひとりだけ。そこそこ後ろの方に座っていたので、劇場全体でそのひとりだけだったんじゃないかと思われ。
とりあえず、観てない人は観てみると良いと思う。
……まぁ、もうほとんどやってないと思うけど。
もちろん、原作は筒井康隆だったりするんですけど、基本的なコンセプトは同じでも、それをうまく──完璧と言っていいほどに現代に舞台を置き直しているのにまずびっくり。
そして、舞台が違うし主人公も違う、というわけでいろんなところが違っているわけですが、それでも原作に十分敬意を払っているというのがよくわかるのに感動。
原作をなぞるだけでも難しいというのに、原作を元にして表現したいものを作るというのは、ものすごい困難だと思うし、それだけ原作が好きじゃなきゃできないことだろうと。


で、まずは主人公の真琴が良いですよ。
元気。うん。
前半の何も考えてないような、そんなのも、後半の必死な姿を見ると、何も考えてないと言うよりも、純粋さというか、そういうものの伏線になっていたのかなぁ、とか。
ちょっと悪い言葉で書いてみると、単純バカ?
でも、それが良いんですよ。
小難しくうんちくたれるよりも、さっぱりくっきり、こういう性格の方が観ている方も感情移入できるというもの。
時を飛ぶために、飛ぶ彼女の姿が、青い夏空に映えて、とてもきれいなのです。
ほかの登場人物も良いなぁ。うん。
特に魔女おばさんこと芳山和子。
原作読んだことがある人には、おなじみの「少女」です。
ちらっと写真とラベンダーがあったり。


原作でも、タイムリープには未来人が関わってきてましたが、もちろん映画でもそのあたりはちゃんとなぞっています。
で、その未来人が現代を訪れる理由というのが良いなぁ、と思いました。
時かけに限らず、タイムスリップものには理由の必然性が重要だと思うんですが、これにはすごい納得。
むしろ、これ以外の理由だったら納得してなかった。


演出などについては、文句のつけようもなく。
学校のシーンがとても良いです。
個人的には、ちらっと映る音楽室の様子とかが良かった。
音楽で、ピアノが印象的に使われていたからかなぁ。
夕暮れの土手とかも、きれいだったなぁ。
土手と川と道路が並んでいて、そこでのシーンはとても印象的だった。
もちろん、それ以外にも印象深いシーンだらけ。
もう、どこを挙げていいのやら。


そんなわけで、遅ればせながら観た時かけ
一言で言うと、きゅんきゅんきた。
いわゆる萌え系じゃない。
でも、ジ○リとかのように、変な主張もない。
純粋に、「映画」として楽しめるものでした。


って、真琴の父親の中の人、おゆいの原作の歌若師匠かよっ!
パンフを買ってそんなサプライズ。