新桜の精神史(牧野和春)

新 桜の精神史 (中公叢書)

新 桜の精神史 (中公叢書)

何となく、読んでみた。
もうすぐ冬も訪れようと言うのに、季節外れも甚だしく。
北海道出身ということもあり、それほど昔から桜に親しんでいるというわけではないので、こういう本でお勉強しないと、桜のなんたるかもわからず、桜と言えばさくらちゃんではにゃ〜んだったり光武に乗って闘ったりするんだよね? と妄言を吐いたりするので。
個人的に印象に残っている桜は、大学の頃住んでいた部屋から見えた、墓地に咲く枝垂れ桜だったりするわけですが。
本書では、万葉から現代に至るまで、それぞれの時代を代表する人物の桜花感、普通の人たちの桜に対する想いを、具体的な例を出しながら、わかりやすく説明しています。
個人的には、やはり西行の歌が印象深いです。
現代の人の、桜に対する考えはいったいどういうものなのか? と考えるのも興味深いです。
まぁ、はっきり言ってしまえば、ものすごいどーでもいい、春になれば咲いてきれい、くらいの感想が大半を占めるとは思うんですが。
それでも、桜の花というのは、春という日本での季節の起点、入学式卒業式など、人生の転機に咲くものであり、花そのものというよりも、そういったものの一部としてとらえられることが多いのかなぁ、とか。
ちなみに、ボクが思いだす桜を描いた作品は萩原朔太郎の詩だったりします。

[Today's tune]初花凜々/SINGER SONGER