ウィンザー城の秘密(C・C・ベニスン)

ウィンザー城の秘密 (ミステリアス・プレス文庫―ハヤカワ文庫 (154))

ウィンザー城の秘密 (ミステリアス・プレス文庫―ハヤカワ文庫 (154))

そんなわけで、ハニハニで読んでました。
女王陛下のメイド探偵ジェインのシリーズです。
今度の舞台は、ウィンザー城。しかも、晴れがましいガーター騎士団の叙勲式の日に!
自白した犯人には、犯行時間にジェインといたというアリバイが!?
と、そんなわけで、一応はアリバイものです。
幾重にも重なった、複雑な人間関係。しかも、その誰もが怪しいという、結構な難解さ。
そして、さらには、死体が発見された状況というのが、また謎を呼びます。
どうして死体は、ガーター勲章をつけていたのか?
まぁ、そこら辺は、謎解きではあっても本格ではないので、別にものすごい見立てがあったわけじゃないですけど。
ただ、被害者の隠された本性が明かされたあとには、このメッセージがきいてくるんですよね。
海外物なので、やはり人の名前が非常にわかりにくいんですが、覚えられないあたりは覚えなくてもオッケーかな? と思ったり。主要登場人物は、結構良いキャラクターなので、とまどうことはないかな。
特に、主人公のジェインが良いですよ。
もう、これだけ日本でメイドがブームになったというのに、どうしてこの小説があまりメジャーじゃないのかなぁ、と思うくらい。
英国王室で勤めるメイドとはいえ、そこは現代っ子
女王陛下に尊敬の念は持ってるものの、十分に現代人としての感覚を持っています。たぶん、そこら辺の名探偵よりも普通の感覚を持ってるんじゃないでしょうか?
喜んだり、悲しんだり、動揺したり、意気込んだり、恋もする。
今回から登場した、とある人物との関係と、1巻から登場しているマグリーヴィーと、それぞれのジェインとの関係が、この先どうなっていくのか気になるところ。
ミステリ好きの人には、気軽に読める、結構面白いミステリとして。
メイド好きの人には、キュートなメイドが活躍する読み物として。
……たぶん、メイド・マシンガンより面白いよ?
と、結構お薦めのシリーズなのでした。

[Today's tune]Desire/U2