赤朽葉家の伝説(桜庭一樹)

赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説

鳥取の旧家に生きた女性三代の、戦後史。
旧家と言うから、横溝みたいな、因縁で伝説でアレなのかなぁ、と思ったら、別にそう言うわけでもなく。
三人の女性の、生きる姿を通して、生きると言うこと、それを描いているような、そんな気がします。
そう、すべては、この一言のために。

せかいは、そう、すこしでも美しくなければ。

美しいでも、美しかった、でもなく、美しくなければ。
そこには、ただ目の前にあるものを受け入れるだけではなく、自ら能動的に、生きて、探し求めていく姿勢のようなものが見えます。
ああ、この一言のために、この物語はあったのだろう。
たぶん、ボクはこの物語を語るのに、うまい言葉を見つけることができないだろう。
だから、あなたに読んでほしいと思う。