麗しのシャーロットに捧ぐ(尾関修一)

こちらもMYSCON8でお薦めされたもの。
メイドさんっ! メイドさんっ!
──って、この内容でこのイラストはねーだろっ! と言う感じが。
富士ミス以外から出ててもおかしくないなぁ、と言うのが第一印象。
まぁ、異世界ファンタジー+ホラーを受け入れる度量のあるレーベルが、他にあるかどうかと言えば、若干の疑問はありますが。
これは面白かったですよ。いや、ほんと。
別に、メイドさんだからっていうわけじゃなく、面白かった。
もし、来年もライトノベルミステリについて語ることがあるのなら、推させて頂こうと思うくらい。
本格ミステリって言うわけじゃないんだけど、しっかりミステリしてる。
まず、構成が上手いです。
ラストまで読んで、おー、そうだったのか! と、それほどびっくりはしなかったけれど、納得。
また、いつものように構造的な話をしてみると、読者は館で悲劇があった、と言うことを冒頭で知らされます。それからはじまる第1章では、どうやらその悲劇のヒロインとなったメイドさんが主人公っぽく描かれます。そのメイドさんが、館に潜む「謎」に向かって、徐々に進んでいくのです。
ここで、「読者=メイドさん」ー(小説=謎)ー「作者=謎の根源」という「ミステリ的」な形式が成立します。
それと同時に、メイドさん→館の主という方向の意識が働くことにより、変形的な「ボーイミーツガール」としてのラインが成立することとなり、ライトノベル的なフレームワークが使われているとも言えます。
ただ、そのライトノベルフレームワークも、後半からは適用の度合いが弱くなるので、
「前半はライトノベルだけど、後半はちょっと違う雰囲気になる」
というような状態になっているんじゃないかと。
あ、ミステリ的なもののほうは、後半もメイドさんじゃないですけど、ちゃんと成立しているようには感じられます。
というわけで、ごちゃごちゃ書きましたけど、あっさりさっぱりくっきりまとめるとすると、
表紙のメイドさんに騙されて買っても、損はしない!
ということで。
ちなみに、こういうクラシック系のメイド服が見られるお店と言えば、まず名前が挙がるのがShatzkisteですね。
うん。