かくてアダムの死を禁ず(海冬レイジ)

MYSCON8で勧められた、今年のライトノベルミステリっ!
ミステリ的な仕掛けとしての、「その場に残された過去を映像としてみる能力」というのは面白いと思う。
ちょっと間違えば、おいおい、それって推理するまでもなくバレバレなんじゃね? というのを、微妙な線で何とかおさめているのは良い。
ただ、やっぱりその面白さを生かし切れてないというのはあるかなぁ、と。
はっきり言っちゃえば、「過去の映像」って、映像トリックなわけじゃないですか。
それじゃあ、やっぱり、アメリカ銃とか緑カプセルみたいなのを期待しちゃうじゃないですか。
まぁ、「ライトノベル」読者がクイーンとかカーを読んでることはまれなので、別に良いけどさ。
それに、やっぱりこういう構造でミステリをやろうとしてもちょっと無理があって、メインが「謎解き」にいくんじゃなくて、「謎解きのあとの対決」に行ってしまっている感がある。
主人公が解き明かす謎が、そのままヒロインとなっていないがために、どうしても主人公→ヒロインという関係性を持たせる必要があるので、ああいうラストの対決シーンを入れざるを得なかったんじゃないかと邪推。
──たぶん、めがっさ何を書いているのかわかんないと思いますが、大丈夫です。書いてる本人も手探りですから。