文学少女と穢名の天使(野村美月)

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)

感想書くの忘れてた! の文学少女シリーズ最新作。
今回は、ルルーの「オペラ座の怪人」を下敷きにした、とても「辛い」物語。
そう、今回は本当に辛かった。
いやですね、MYSCONのときにあがってた指摘通り、「ぬるい」と言ってしまえばそれまでかもしれないし、ルルーを越えられているかと言えば確かに疑問符は付くかもしれないけど。あ、でも、劇団四季版の「オペラ座の怪人」よりは上だったと思う。
で、それでも、はっきり言ってしまうと、ボクにとってはこれ以上はないくらいに、「辛い」小説でした。
これほどまでに、自分のいちばん痛いところをぐさぐさとピンポイントでえぐってくるなんて、ユヤタンのクリテロ以来だね!
もう、感想書くの忘れる位にやられてましたよ。
「持つ者」と「持たざる者」という二種類の人間と、「書くことができる者」と「書くことができない者」という、もう二種類の人間。
「持つ者」=「書くことができる者」であったり、「持たざる者」=「書くことができない者」であれば、何も問題はないんだけど、世の中は、どうしてもそう上手くはいかない。
誰かを大切に思ったとしても、その人のためにいったい何ができるのか?
作中で、登場人物たちがした行動が、最後に明かされたななせの決断が、きっと、彼/彼女たちの決断だったのだろう。
──ボクは?
ボクは、いったい何を決断して、何を行動しようとしているのだろうか?
あとはやるだけなのに、そんな単純なこともわからない。
そう、月に手を伸ばそう。たとえ、届かなくても。


と、そう言うことを書いたあとでなんだけど、遠子先輩いいよ、遠子先輩。
森鴎外初版一気食いはちょっと趣味が違うかもしれないけど。
ちなみに、瓶詰地獄(夢野久作)読んでも、恋愛の知識はあまり身に付かないような気がするんですが、いかがでしょうか?
あー、そう言えば、この前トーヤさんとかと神保町行ったときに、ケータイ小説が本になったやつが、ワゴンで売られてたんですが、すごいねー。
あれ、読めねぇよ。
いや、文章がどうこうという以前に、体裁すらちゃんとなっていないというのはどういうことだ?
三点リーダが「……」じゃなくて「…」なのは当然として、カギ括弧が全角じゃなくて半角になってたりして、行がちゃんと揃ってないし。
文章が悪いのなら、作者が──ということで、まだ仕方がない気もするけれど、本のフォーマットがちゃんとなってないのは、本を作るプロとして全然だめじゃないのか? きょうび、同人誌だってもっとちゃんとしてるぜ?
と、どうでもいい話はここまでで、アレですよ。
ななせちゃん良かったよ!

ななせは可愛い。本当に可愛い。世界でいっっっちばん可愛い。

いや、マジで。
ななせちゃんのかわいさだけで、このシリーズ読む価値あるね!
ボク、痛いけど言い切るよ!


というわけで、gdgdになったところで、fra-foaの曲から一部分引用して終わろうと思います。
本当は、全部引用したいんだけど、それはアレなので。

いつかは消えるのなら
「生きている」愛しさや
悲しみや辛さまで 受け止めるんだ
僕はここにいるよ
ちゃんと感じて、いるよ?
誰かがこのちっぽけな僕を求めてくれたら・・・
僕はもう、それでいいよ
君に会いに行こう。

ちなみに、この曲を元にして、実はひとつ書いてたりします。
確か、大学1年の秋くらいだったかな……
街路樹色づく街角で待ってる

[Today's tune]澄み渡る空、その向こうに僕が見たもの。/fra-foa