エノーラ・ホームズの事件簿〜消えた侯爵家の子息〜(ナンシー・スプリンガー/訳 杉田七重)

エノーラ・ホームズの事件簿―消えた公爵家の子息 (ルルル文庫)

エノーラ・ホームズの事件簿―消えた公爵家の子息 (ルルル文庫)

そんな、富士ミスよりもミステリーらしいルルル文庫
作者は、エドガー賞受賞者らしいです。そりゃ、ミステリだ。
「ホームズ」の名前通り、主人公はあのシャーロック・ホームズの関係者。
しかも、妹だぜっ!
残念ながら、一人しかいませんが。
いや、妹って、12人くらいいるもんじゃない? 普通?
そして、登場人物紹介のテュークスベリー侯爵のイラスト見て、実は女の子なんだけど男の子として育てられていて、と言うことを妄想したりしていたけど、そんなことは全くなく、ごく普通の男の子でした。
──がっかり。
で、本格ミステリと言うよりも、やっぱりホームズっぽく、半分冒険活劇はいってる感じ?
とは言っても、暗号が結構重要な意味を持っているので、そちらが好きな人はいかがでしょうか?
ちなみに、ボク、あんまり暗号は好みじゃないので。
だって、数学的には暗号って絶対に解けるものじゃん?
そこに「不可能性」が見えないんですよ。


そして、ここまで、ヒロインについて、「妹」としか書いていないことに気が付く。
一応、たぶん、萌えキャラ?
ヴィクトリア朝の人にしては、進歩的な価値観、言い換えると、あの時代の非常識人。
その非常識が、推理の役に立つというか、それで話が進んでいく感じ。
たぶん、ポアロさんのところのメイベルたんよりは、推理力(なんて力があれば、だが)はありそう。


で、気になるのが、海外の作家なわけじゃないですか。
いかに、ルルル文庫小学館とは言え、日本のいわゆるライトノベルの、異常な刊行態勢に、海外の、しかも結構ベテラン作家を組み込むことは、ほぼ不可能と言えるわけで、続編結構読みたいなぁ、と思いつついるも、それがかなうのは結構先になりそうだなぁ、と予想中なわけでした。