神様のメモ帳(杉井光)

神様のメモ帳 (電撃文庫)

神様のメモ帳 (電撃文庫)

実は読んでなかった神様のメモ帳
……だって、ニート探偵とか、明らかにネタとしか思えなかったんだもん!
しかしながら、実際にはネタじゃなかったよ! というより、逆に面白かったよ!


無気力でニート一歩手前の高校生が主人公で、どこか欠片を無くしているような、そんな周りの人たちに、欠片ばかりでできているような「アリス」。
──一瞬でも「アリス」を冴えない大学生だとか、中年ミステリ作家だと思ったら、お友達!
逆に考えるんだ! あっちの「アリス」をこっちの「アリス」で置き換えるんだ!
ついでに火村も美少女に置き換えてみるんだ!
と、全力でダメ人間っぷりを暴露して、なんとか「神様のメモ帳」から話をそらそうとしてます。
……だって、これ、結構きついっすよ。
だいたいが、引用文で「たったひとつの冴えたやりかた」なんて持ってくるのが卑怯なんだよ。
そんな、今でも思い出し泣き(?)できる小説持って来られて、しかもこんな青春で残酷で異能のかけらもなくて、何よりも「優しい」小説読まされて、まともでいられると思うなっ!


そして、この小説で描かれるニートという人たちは、別にその定義の意味じゃなくて、精神的に、どこか危うい人たちのことを書いてるんだろうなぁ、と。
「普通」と呼ばれるものと、どこかずれているような、そんな感じ。