死霊3(埴谷雄高)
- 作者: 埴谷雄高
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/04/10
- メディア: 文庫
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2巻を読んで思った事だけど、やっぱり、ボクにはまだこの小説のすべてを理解する事はできない。
そんな、ボクのようなやつが、ちょっと読んで理解できるような内容ではないです。
しかし、それでも、わずかながら何かを考える事のきっかけにはなるはず。
重要なのは、理解する事じゃない。
理解しようと突き進む事なんだと思うのです。
だから、1巻2巻では影の薄かった安寿子が、自ら考え、至る、3巻の中盤から一気に存在感をましてくるんだと思うのです。
読者は、その安寿子を通して、なんとか彼らが語る「虚体」の縁へと手を伸ばす事ができるのではないでしょうか?
──ほう、何が、はじめて全宇宙に創出されるのでしょう……?
──与志さんの、虚体、です!
この一言に込められている、途方もない愛。
そして、すべてを内包した、読者への問いかけ。
ボクは、この問いに答える術を見つけるために、どうすれば良いんだろうか?
[Today's tune]青白い月/fra-foa