デンデラ(佐藤友哉)
- 作者: 佐藤友哉
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/06
- メディア: 単行本
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まさに、ユヤタン・ネクストステージ! って感じ?
「姥捨山」に捨てられた老女が生きる/死ぬ/戦う。
これは、寓話であり、社会風刺であり、エンタであり、
そして何よりも、佐藤友哉が削り出した存在である。
今まで、「若い」人を主人公とすることが多かったユヤタンが、
登場人物全て老女(熊もいるよ♪)なんていったいどういうこと? と思ったんだけど、
中身はまさに今の佐藤友哉にしか書けないような小説でした。
迷うということ、そして、覚悟を決める──生きる=死ぬということ。
ユヤタンの小説に今まで描かれてきたことが、凝縮されています。
ラストの主人公の姿がありありと思い浮かぶような、
その決っして描写されない表情が、この小説の全てを語っているように思います。
細く、脆かった佐藤友哉は、
その脆さゆえに、これだけの強さを得ることができたんじゃないかと。
そんなことを考えさせられました。
[Today's tune]アトリエ/tacica