神様のメモ帳×さよならピアノソナタ!?

神様のメモ帳〈4〉 (電撃文庫)

神様のメモ帳〈4〉 (電撃文庫)

さよならピアノソナタ〈4〉 (電撃文庫)

さよならピアノソナタ〈4〉 (電撃文庫)

神様のメモ帳4は、主人公のナルミが、とあるバンドのイベント運営の手伝いを平坂組四代目から依頼されるところからはじまります。
で、杉井光でバンドといえば、
iRJs──Ikebukuro Real Jujitsu……じゃなくて、フェケテリコ(さよならピアノソナタ)ですね。


さすがは大手、目のつけどころが違います。
早速こんなエントリを立ていらっしゃいます。
■[ライトノベル]「神様のメモ帳」4巻に関する希望的観測混じりのエントリ(平和の温故知新)


ただ、平和さんのような慧眼のないボクにはどのあたりが? というところもあるので、
神様のメモ帳4巻に出てくるバンドがフェケテリコだと思わせるようなところ、
違う、と思われるようなところを、それぞれ挙げていこうと思います。

フェケテリコと似ているところ

黒いギブソンレスポールを掻き鳴らすギター・ヴォーカルの女の子が印象的なPVである。
P.16〜P.17

フェケテリコのヴォーカルといえば、神楽坂先輩(おれのよめ)orナオなわけですけど、
これは神楽坂先輩っぽい感じかなぁ、と。

「これバンドのドラマーさんが作ったロゴなんですけど、フォントがこうねえ、女の子バンドだからキッチュでポップぅ! みたいなの前面に押し出されるとやっぱり違和感ていうか、藤島さんも曲聴きましたよね? もっとエッジで張りつめた感じでしょ」
(中略)
アルファベットで綴られたバンド名のロゴ、『i』の点がわりに、ちょこんと鳥のシルエットがとまっているのだ。
P.81〜P.82

うん。そのセンス、千晶だね。
そして、フェケテリコ──feketerigo──確かにiがつきます。

出口に向かおうとして、ふと思い出す。そういえばデザイナーさんが、バンド名のロゴにくっついている鳥のことを教えてくれたのだ。なんだっけ、黒つぐみだっけ。
P.87

ここは似ているけど違うとも言えるところ。
フェケテリコはクロウタドリですね。
クロウタドリ──wikipedia
クロツグミ──wikipedia
これは、似ていることもあるし、デザイナーさんかナルミが間違えた、というのも考えられるかも。

入り口の上に掲げられた大きなモニタには、ステージリハーサルの様子が映し出されている。無音声であることが、かえってギブソンレスポールを掻き鳴らすヴォーカルの女の子の鋭い美しさを際立たせている。二本に束ねた鳥の尾羽みたいな長い黒髪が、刺激的なライティングの下で踊ってる。

ここも、どちらともとらえられるような箇所。
黒髪でレスポールは神楽坂先輩なんだけど、ちょっと髪型が違う。

フェケテリコと違うところ

「あー……ひょっとしてあのバンドですか、名前忘れちゃったけど、女の子ばっかりの」
P.16

……ナオが女装すれば問題なし!


P.319〜P.320のMC
ここは、敢えて引用しません。
バンドのステージと、物語がクロスする、
この小説の中で一番美しい場所なのだから。
ただ、野暮を承知で分析すると、
このバンドがフェケテリコだとすると、MCの内容が時系列的にどうなのかなぁ、と。
まぁ、はっきりとしているわけじゃないんですけど。


と、そんなわけで、結局のところは答えなんて出ないことなんだと思います。
作者自身も、違うともそうだとも言えないような書き方にしていると思うし。
さよならピアノソナタ4巻のあとがきでも、フェケテリコのメンバがその後どうなったかはわからない、
(ただしユーリくんは除く)と書いてあるし、
ボクたちの胸の奥に響く、
レスポールの甘い歪みと、鋭角にしてゆるやかなストラトキャスターの旋律、
それに絡みつくようなアリアプロのベースサウンドと元気なスネアの音──
それがあれば、良いじゃないか、って思います。