神様のメモ帳×さよならピアノソナタ!?
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で、杉井光でバンドといえば、
iRJs──Ikebukuro Real Jujitsu……じゃなくて、フェケテリコ(さよならピアノソナタ)ですね。
さすがは大手、目のつけどころが違います。
早速こんなエントリを立ていらっしゃいます。
■[ライトノベル]「神様のメモ帳」4巻に関する希望的観測混じりのエントリ(平和の温故知新)
ただ、平和さんのような慧眼のないボクにはどのあたりが? というところもあるので、
神様のメモ帳4巻に出てくるバンドがフェケテリコだと思わせるようなところ、
違う、と思われるようなところを、それぞれ挙げていこうと思います。
フェケテリコと似ているところ
フェケテリコのヴォーカルといえば、神楽坂先輩(おれのよめ)orナオなわけですけど、
これは神楽坂先輩っぽい感じかなぁ、と。
「これバンドのドラマーさんが作ったロゴなんですけど、フォントがこうねえ、女の子バンドだからキッチュでポップぅ! みたいなの前面に押し出されるとやっぱり違和感ていうか、藤島さんも曲聴きましたよね? もっとエッジで張りつめた感じでしょ」
(中略)
アルファベットで綴られたバンド名のロゴ、『i』の点がわりに、ちょこんと鳥のシルエットがとまっているのだ。
P.81〜P.82
うん。そのセンス、千晶だね。
そして、フェケテリコ──feketerigo──確かにiがつきます。
出口に向かおうとして、ふと思い出す。そういえばデザイナーさんが、バンド名のロゴにくっついている鳥のことを教えてくれたのだ。なんだっけ、黒つぐみだっけ。
P.87
ここは似ているけど違うとも言えるところ。
フェケテリコはクロウタドリですね。
クロウタドリ──wikipedia
クロツグミ──wikipedia
これは、似ていることもあるし、デザイナーさんかナルミが間違えた、というのも考えられるかも。
入り口の上に掲げられた大きなモニタには、ステージリハーサルの様子が映し出されている。無音声であることが、かえってギブソン・レスポールを掻き鳴らすヴォーカルの女の子の鋭い美しさを際立たせている。二本に束ねた鳥の尾羽みたいな長い黒髪が、刺激的なライティングの下で踊ってる。
ここも、どちらともとらえられるような箇所。
黒髪でレスポールは神楽坂先輩なんだけど、ちょっと髪型が違う。
フェケテリコと違うところ
「あー……ひょっとしてあのバンドですか、名前忘れちゃったけど、女の子ばっかりの」
P.16
……ナオが女装すれば問題なし!
P.319〜P.320のMC
ここは、敢えて引用しません。
バンドのステージと、物語がクロスする、
この小説の中で一番美しい場所なのだから。
ただ、野暮を承知で分析すると、
このバンドがフェケテリコだとすると、MCの内容が時系列的にどうなのかなぁ、と。
まぁ、はっきりとしているわけじゃないんですけど。
と、そんなわけで、結局のところは答えなんて出ないことなんだと思います。
作者自身も、違うともそうだとも言えないような書き方にしていると思うし。
さよならピアノソナタ4巻のあとがきでも、フェケテリコのメンバがその後どうなったかはわからない、
(ただしユーリくんは除く)と書いてあるし、
ボクたちの胸の奥に響く、
レスポールの甘い歪みと、鋭角にしてゆるやかなストラトキャスターの旋律、
それに絡みつくようなアリアプロのベースサウンドと元気なスネアの音──
それがあれば、良いじゃないか、って思います。