WANDS

ところで、WANDSとか、好きです。
一時代を築いたはずなのに、今はCDショップで見かけることもまれになりました。
昨年リリースされた、上杉昇のソロアルバムも、全くと言っていいほど話題になりませんでした。
一般の人からすれば、もう時代遅れ。
音楽好きからすれば、全然物足りない。
これがWANDSに対するイメージだと思います。
でも、自分の音楽のルーツのひとつは、間違いなくここにあります。
CD買うお金もなかったから、アルバムレンタルしてきて、テープに録ってすり切れるまで聴いて。A面とB面の時間を計算して、できるだけたくさん曲が入るように、オリジナルテープ作ったのも、良い思い出です。
そうやって、愛を語るより口づけをかわそうだとか、寂しさは秋の色だとか、時の扉だとか、恋せよ乙女だとか、Jumpin' Jack Boyだとか、たくさん聴きました。
今でも飽きることなく、聴いています。
決して懐かしさだとか、感傷だとか、そういったセンチメンタルな感情とは別なところで。
最近日本で流行ってるメロコア系だとかミクスチャー系だとか、〜系というスタイルだけの音楽にはどうしてもなじむことができないというのもあるんですが。
同じく流行して、十年後にはほとんど残ってないだろうな、という共通点はあります。
他にも、耳に優しいメロディラインだとか、薄っぺらい歌詞だとかも。
もっと強く抱きしめたならとかって、よく考えたなぁ、というくらいですよ。
だったら、自分を引きつけるものはなんなのか?
たぶん、一種の諦観のようなものなんじゃないかと思う。
決して、押しつけがましいことは言わない。
世界平和だとか、友情だとか真実の愛だとか、真っ直ぐ生きるだとかそんな歌は歌わない。
ただただ、逃げ込みたい恋だとか、自分の弱さだとか、そう思えるものが多くて。
世界中の誰よりきっとにしても、愛を歌いつつも、後ろでは「世界中の誰より?」なんて疑問符が浮かんでいるのが見えてくるわけで。
そんな中で、一番好きなのはSeacret Night。
96背中合わせの、というフレーズが好き。