ゲーム版フタコイのサブタイトルとパクリとオマージュとメタ性と本格ミステリと

ゲーム版フタコイオルタナティブのサブタイトル「恋と少女とマシンガン」とその主題歌が、フリッパーズギターの「恋とマシンガン」のサブタイトルとメロディをパクっているという話。いや、ゲームフタコイの主題歌を聴いたことがないので、その真偽は定かではありませんが。
今日の日記執筆のきっかけはこちら
http://blog.goo.ne.jp/ipod_mini/e/4640a24671aafe85b98e3117882010ae
ええと、駄文家の私が言うのもあれですけど、若干主張するところの読み取りにくい文章ではありますが、大体のところは分かると思います。
とりあえず、強引に読み取ったところ、ギャルゲーなんだからフリッパーズギターをパクるのは許せないっ! という主張みたいです。それ以外の主張に対しては、いくらがんばってもゲームというのは集団制作物なので、発注先の音楽制作者が発注元の意図ほどうまくできなかった、というのが実情であり、商品なので売らなきゃいけなくて、だから豪華特典付き初回限定版を売らざるを得ない、というのがあるとは思うんですが、まぁ、いいや。


もとの文章がそんな感じなので、何について書いていけば良いのかも不明確ではありますが、今回は「パクリ」というものについてちょっとだけ書いてみようと思います。
何かの作品を、そのまま自分のものとして使用するーー一番最悪なパクリです。言語道断、許せません。例え一部分であろうとも、許容できることではないでしょう。
ならば、今回のゲーム版フタコイは?
主題歌については、実際に聴いていないので、ここでは語らないことにします。純粋にサブタイトルについてだけを考えると、パクリではない、と思います。
タイトル、サブタイトルによく知られた作品名をもじったものを使い、それに近い雰囲気を持っている、というのを表現することは、良くあることだと思います。
ーーそう感じるのは、私が本格ミステリというものに慣れ親しんでいるのが関係しているのかも知れません。本格ミステリで、このようなタイトルの踏襲は日常茶飯事、これなくしては本格ミステリの発展はあり得なかった、とまで言っても過言ではありません。
もし、これを禁止するのなら、「モルグ街の殺人」以降、〜の殺人は産まれ得ず、いくつもの傑作がこのに登場することはなく、それだけじゃなくて〜の謎、だとか、〜の秘密、だとか、本格ミステリには、とにかく似たような名称が多いのです。……これが、本格ミステリしりとりで難しいところだったりしますが。
本筋に戻ると、タイトルだけで、これくらいの取り入れ方なら、パクリには当たらない、と思います。これで、渋谷系とかサブカル系の雰囲気なら、うまく取り入れた、といっても良いんじゃない?


内容についてパクリなのかどうかは、ゲームの発売がまだなので、当然分かりません。
しかし、この雰囲気だと、あれのパクリだとかこれのパクリだとか、いろいろといわれることになりそうだなぁ、と。
でもですね、良いじゃん、と。大体が、もとのものを十分に生かさなければいけない、できが悪いものはパクリでいけないことだ、と決めつけるのはいかがなものかと。
誰もが皆、才能に恵まれている訳じゃないので、できいかんでパクリかどうかを決めるというのは無理な話だと思うのです。
私は、パクリかそうでないかを決めるのは、もとに対する敬意だと思っています。
例え、素晴らしい作品で何百万部も売れるようなものであったとしても、そのものネタにカケラも敬意が感じられないのなら、それはひどいパクリであり、許すことはできないと言うことです。
この、敬意に溢れた本歌取りが頻繁に行われているのが本格ミステリというジャンルであり、それが本格ミステリという希有なジャンルを形作ってきました。
そして、この本歌取りの行為は次第に一部のメタミステリにおいて、作品の今回をなすようになります。
まぁ、それはまた微妙な話になるんで、またそのうちにでも。


面白くもない長文、失礼しました。

[Today's tune]恋とマシンガン/フリッパーズギター