暗い日曜日(朔立木)

暗い日曜日

暗い日曜日

こんなにもゆったりとした休みの日なのに、暗い日曜日
うん、悪くない。
昨日は暖かい日だまりのような小説を読んでみたわけですが、一気に趣向は変わります。
有名画家による、愛人刺殺事件。
彼の奇妙な魅力に惹かれ、事件に踏み込んでいく弁護士が見る、ひとりの人間の心の奥。


裁判というのは、極限まで客観的に判断を下さなければ行けない場だと思うんですが、そこで扱われるのは、客観性からは最も遠い場所にあると言っても良い感情。
その、事実自体がたまらないほどの重さを持っています。
近年は、日本でももうすぐ裁判員制度が導入されるということで、ニュースなどで刑事裁判そのものについて報道されることも多くなっている気がします。
果たして、その場になって人間を裁くことができるのか?
私のような人間が、他人の罪を決めることができるのか?
まぁ、裁判員制度が導入されたからって、絶対に自分が選ばれると決まったわけではないので、選ばれたら選ばれたで何とか考えればいい、とは思うんですが、それでも、もし、万が一の時のことを考えると、本当に? と考えてしまいます。
きっと、私は、すごく感情的に、冷静さのカケラもなく、その人の罪を主張するか、もしくは、逆にできる限りその罪を少なくするか。
たぶん、中間というのは考えられないんじゃないかと思う。
どちらにせよ、自分が誰かの運命を決める、という覚悟を持たなきゃいけなくなることは確か。裁判員制度が、犯罪とか罪に対して、自覚的に考えることの契機になれば、と思います。