椿姫(デュマ・フィス)

椿姫 (新潮文庫)

椿姫 (新潮文庫)

今年は、世界の名作を読もう! プロジェクトの第1弾。
いや、このペースだと、年に12冊くらいしか読めない計算になるんですが……
というわけで、読んでみました。
いやー、アレですね。
遠子先輩@文学少女シリーズが大好きそう!
読みながら、遠子先輩のおいしそうなたとえが頭の中に聞こえてきますよ。
マルグリッドがブリュダンスとアルマンの部屋に告白をしに訪れる場面とか、プージヴァルの生活だとか、ひとりでアルマンのもとを訪れるマルグリッドだとか、彼女とアルマンの父との会話だとか、そして、何より、彼女の最後の手記を、どうやって味わうのだろうか? と。
いや、ほんと、最後の手記はほとんど泣きそうになりながら読んでた。
もちろん、ボクにはこんな経験はないし、遠く昔のパリなんて知らないから、本当に遠い世界の物語のはずなのに。
しかも、恋愛なんて、ボクからは遠い話のはずなのにね。ふん。
哀れとか、同情とか、そういう簡単にかたづけられないような、感動を覚えました。
まぁ、ぶっちゃけると、近年日本でも流行った難病ものだったりするんですが、やはり、実際の経験を元にした重みというか、世界中で愛される名作は凡百な恋愛小説とは違うということですか。
大デュマは、息子の書くものが説教くさいと言ったそうですが、現代日本の小説を読んだら、あまりに教養のないものか、もしくはガチガチの説教しか書いてないようなものに、眩暈を覚えるんじゃないだろうか?
あ、その前に、あまりのできの酷さに気絶するか。
で、そうそう。
椿姫と言えば決闘とかなかったかなぁ、と思ったら、微妙にオペラの椿姫と、あと、カルメンと微妙に混じって記憶してたみたいで。
いやぁ、ダメだなぁ。
こういう記憶違いがあるからこそ、ちゃんと本は読んでおかないと。


で、マルグリッドが高級娼婦という設定のせいか、もしくは硬質で古い感じのある訳文のせいか、まったく萌えというものを感じなかったんですが、このあたりが、萌えとは? という問いのひとつの答えになるのかもしれない。
……まぁ、思いっきり萌え絵でコミック化されたら、めがっさ萌えてるかもしれないですがっ!
森鴎外舞姫だって、アニメなってるし、もしかしたらもうあるのかな? かな?
──探したけど、なかったです。ひと安心。
──って、結局こういうまとめしかできないボクなのでした。

Now I know the perfect kiss is the kiss of death
Perfect Kiss/New Order

[Today's tune]Perfect Kiss/New Order