人類は衰退しました（田中ロミオ）

人類は衰退しました (ガガガ文庫)

祝・増刷！　というわけで、やっと読めたよー、のガガガ文庫創刊ラインナップの中でも、大注目だった小説です。
とは言っても、ボク、田中ロミオのゲームやったことないんだよねぇ、と。
で、どうなんでしょうか？　ゲームの時と、この小説、同じような感じなのかなぁ？
それとも、ちょっと違う感じなのかなぁ？
確かに、悪くはないかもしれないけど、どちらかというと話題先行で売り切れたのかなぁ？　と言う気がしています。小説単体のインパクトという観点では、ちょっと弱いんじゃないだろうか？
いや、悪くはないんですよ？
ただ、「ああ、良いなぁ」という感じの良さで、「こいつすげー！」という感じの良さじゃないんですよね。
わかって頂きたい、この微妙なニュアンスの差。

内容は、「衰退した人間」と、その代わりのようにして現れた「妖精さん」のコミュニケーションノート。
はっきりと言って、何も起こらない、と言えば何も起こらない。
淡々と流れていく感じなんですよね。
それでも、なぜかしっかりとしみこんでいくというか。そこが不思議。
同じく、ガガガ創刊ラインナップにあった「樹海人魚」とはまったく逆の性質を持っているんじゃないだろうか？　と。
どちらも、結局残るんだけど、その残り方が、じんわり浸透していく「人類は衰退しました」と、ぐさりぐさりと突き刺さっていく「樹海人魚」という感じで。
どちらにせよ、ガガガ文庫は、「これが小学館？」と我が目を疑いたくなるようなラインナップになっているなぁ、と。
（今のところは）月ごとの刊行数も多いし、一般のラノベ好きにはどうかはわかりませんが、ちょっと外れた人には売れるんじゃないでしょうか？